TOX | ナノ

意識なき仲間



リーゼ・マクシア全域に高出力魔法陣の展開を感知!


来ます!という女兵士の声がすると突如マナが抜かれ始める。苦しい、立っていられない、力が抜ける、嫌だ、助けて!


「なに、これ…マナが抜けるみたい」


レイアの声が聴こえる。


がくん、と膝をつく寸前、ぐい、と腕を引かれて、アミュレインはガイアスに支えられた。

以前から、力を使いすぎていたアミュレインは、そのまま意識を失った。


















乗ってきた空駆ける船から、ジランドが乗っているであろう船に飛び移るジュードとミラ。上空からアルクノア兵やアルクノア所有の空駆ける船からの攻撃に、ミュゼはさらに上空に飛び上がり、彼女の力を使い船や兵を一掃する。


「ミュゼ、すごい…」


ここは私が、とミュゼの言葉にジュード達は頷きジランドを目指して船の奥へと向かう。


「ジュード」
「なに?ガイアス」


ジュードらは二手に別れることになり、いまだ意識を失ったままのアミュレインを抱えたガイアスは「アミュレインを任せた」とジュードに渡す。無言でアミュレインを抱えたアルヴィンはガイアス、そしてウィンガルを睨みつけ、溜息をついた。


「アル、」
「なんだよ」
「アミュレインを、守ってあげて」
「…わかってるよ」


悲しげなプレザを一度も見ることなく、アルヴィンは答えた。先に行ったガイアス達をゆっくりと歩きながら追うプレザは、ジュードに悪態つくイバルを連れ、その場を去った。



「アン、大丈夫でしょうか」
「多分、疲れてるんだよ」

「…時間がない
アルヴィン、アンを抱えたままで大丈夫か?」
「あぁ、問題ねぇよ」


見るからに顔色が悪いアンを心配する面々に、アルヴィンはただ思った。もう、解放されろ、と。何から?


―…それは、


意識なき仲間


(こいつらにとっちゃ)
(お前は仲間なんだよ、アン)



20121102
X2が発売してしまった…orz
当初の予定ではもう完結している予定なのですが…。
急ピッチでいきます!


prev / next