TOX | ナノ

五月蝿い男。


「ここからは力押しだ!」


ミラの声が響いたと同時にアルクノア兵が迫ってきた。みな、武器を構えて応戦する。一人二人ではない、ジルニトラに乗っているアルクノア兵が何人もいるから、一人で何人も相手にしなければならないのだ。



「ちょっとちょっと、流石に多くない!?」


敵を数人倒したところでレイアが声をあげた。ジュード、アルヴィンが敵を倒し終えると、ジュードが言う。


「二手に分かれよう
一方が艦橋までたどり着いて、この船を地上に降ろすんだ」


ガン、ガン、
アルヴィンが銃を撃ち、敵をのす。


「確かに、そうすりゃガイアス達の支援もある。ここの敵もどうにかなるな」

「問題は、誰が行くかですね」


アルヴィン、ローエンの順で言うとミラを背後から襲い掛かろうとする敵をジュードは蹴り飛ばし、そして殴りつける。


「僕はここに残るから、ミラが行って」
「ジュード…」


「私が残るから、アンタ達全員で行けば?」

「アン!」

「数が多くても雑魚には変わりないし、ね」


アンが銃を構えると、アルヴィンがアンと背中合わせになり同じく構えた。はぁ、と溜息をついたアンにアルヴィンは笑い、いくぞと声をかける。


「一人で充分だけど?」
「一発くらいいいだろ」


「「エアリアルバレット!」」


ガン、ガン、
2人の弾丸がアルクノア兵に命中し、その周りにだけ兵はいなくなる。少し遠くにはいるのだが。


「ほら、早く行きなさい!」
「でも、アン一人じゃ…!」

はっはっはっはっはっ!
俺の地獄耳で話は聞かせてもらったぞ!」

「この声って…」


とう!という声が上空から聞こえる。見上げれば多分ワイバーンから飛び降りてきた男。男は着地に失敗しアルクノア兵の中に落ちる。


「だれだ貴様!」


どかん!と音がしたと思ったら兵吹っ飛んだ。


「イバル!?」

「はーっははははは!」


ミラが驚きの声を上げるも、イバルと呼ばれた男は声高らかに笑い出した。隣でアルヴィンの「生きてやがったか」という声が聞こえた。


確かイバルは巫子だったはず。ファイザバード沼野で余計なことをした奴だ。そのせいでジャオが、


ジュードとイバルの会話を聞き流しながら、突然襲ってきた兵を撃つ。ぎゃぁあ!と断末魔を聞きながら、ガイアス達が早く来ないかな、と考えていた。


五月蝿い男。


(早く、早く)



20120924

今日も更新できました!
よかった…(;ω;)



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