ガイアス達を信じて、私達は城門に降り立った。
「アン、大丈夫?」
「…平気よ
それよりも、陛下達はまだ戦ってる。私は、そっちに合流するわ」
アンの言葉に反応したのはエリーゼ。アンに近寄って手を握り、見上げた。
「アン…行っちゃうんですか?」
「もともと此処までの道案内のつもりだし、ね」
「でもっ、私、アンと一緒にいたいです」
エリーゼの言葉が、響く。だから、なんで。なんでこんなに私に懐いてるの。私、特別なにかしたわけじゃない。話しをして、笑って、エリーと呼んで、共鳴して、一緒に寝て……あぁ、思い出せば一緒にいることが多かった。この子は友達がいなかったから、だから私に懐いてるだけ。
―…私は、敵だ。
「エリーゼ、忘れないで」
「…え、?」
「私は、あなた達の敵
ア・ジュール王ガイアスの側近、アミュレイン・ラグレイスなの」
だから、馴れ合うつもりはない。
声に出せば寂しく響き、エリーゼはレイアに肩を叩かれて後ろに下がった。今、私を見ているのはアルヴィンと、ジュード。ミラはまるで他人事のように傍観しているようだ。(ローエンもまた然り)
「アン、僕達と一緒に行こうよ」
「…今の聞いてた?理解能力はあると思ってたんだけど」
「敵だろうと、関係ないよ
僕らはアンと一緒にいたいんだから」
ジュードの言葉に頭を抱えるしかなかった。この子供(ガキ)達は、なんでこんなに私に執着するんだろう。私は、ガイアスのところに行きたいのに、ガイアスの、ものなのに。
「ねぇアルヴィン、この子達なんとかしてよ」
「俺に言われても、な。
懐かれちまったんだから、仕方ないんじゃないの?」
がくり、肩を落とす。
ミラは城門に繋がれたワイバーンに乗り込み、他のメンバーにも早くしろと急かす。次々に乗り込む彼らを見遣り、私はくるりと後ろを向いた。
「じゃ、死なない程度に頑張って?」
「おっと…おたくも一緒だろ?」
「え、ちょ、は?…や、待って、待って待って!やだ、やだやだ!」
ぐい、と腕を引かれたと思った刹那、浮遊感。視界は高くて担がれているのだと理解した時にはもう遅く、アルヴィンはワイバーン乗り込んだ。
「さて、行きますか」
「……恨むわよ、アルヴィン」
「なんとでも」
やはり、口では勝てそうにない。はぁ、と深い溜息をついて、仕方なく諦めた。
「アン、しっかり掴まってろよ」
「誰がアンタなんか…にっ!?
っ、いやぁぁああ!」
再ワイバーン
20120923
お久しぶりです。
11月1日までに連載を完結しないと、X2の連載ができない…!ということでこれから集中更新していきたいなと思っています。
とりあえず1周クリアして、今は2周目に入りました。連載で使いたい会話はちゃんと見て、他はスキップしてます(笑)
今日はもう一つ打ち込んで更新したいなと思ってます(・ω・*)
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