TOX | ナノ

睨み合い勃発

ウィンガルが去ったその場。ミラ達の視線が私に突き刺さった。


「なにか?」
「誘っているのですか?」
「さぁ?彼の考えてることなんて、私にはわからないわ」

私に向けられる視線の一つを追うと、ジュードと目が合った。くすりと笑い、ジュードの前まで歩みを進めると、ジュードは一歩後ずさった。


「君、私に"アン?"って聞いたわよね」
「え、あ…うん」
「私はアンじゃないわ、アミュレインよ

彼女、死んじゃったかもね」
「そんな…っ!!」

瞳を伏せて言えば、エリーゼ、レイアが言った。
何、なによ、心配、してるの?アンのこと。


「嘘…です!アンは後でちゃんと来るって、言いました!」
「そうだよ、アンが死んじゃったなんて、嘘つかないで!」

ちくり、胸が痛くなった。どうして?どうして心配して、どうして信じるの?
アルヴィンに裏切られてるんだから、アンにも裏切られるかもしれないって可能性を考えないの?
馬鹿みたい、馬鹿だよ。


「そう思ってるなら、生きてるって信じてたら?」

"後悔するかもしれないけどね"と加えて言えば、アルヴィンが溜息をついて、ミラに近付いた。

「ジランドを討つなら、俺も行かせてくれ

もう裏切らない。裏切ったら、お前の剣で切り捨てて構わない、!」

些か興奮気味のアルヴィンに眉を寄せた。急にどうしたというのだ。
アルヴィンにゆっくりと近付いてグシャリと潰された紙を奪う。

そこには、


「う、そ…嘘、嘘よ」
「アミュレイン?」

「嘘、嘘よ嘘よ!そんな!」

泣きそうだ。けれど見られたくはない。その紙をアルヴィンに押し付けて、ミラ達に背を向けて教会まで走った。


「…どうしたんだろう、アミュレイン」
「泣きそう、でした」

「アルヴィン、仕方ない。一緒に行くぞ」
「…悪ぃ、サンキュな」


ミラ達は、教会の扉を開ける。中には、ウィンガルの背に頭を押し当て、震えているアミュレインとジャオ以外の四象刃、ガイアスが教会の奥にいた。


「泣くな、アミュレイン」
「ひっ、く…うっ」

「どうしたのよ、急に」
「ネェちゃん、誰に泣かされたんだよ、アタシがぶち殺してやるよ!」

泣きじゃくるアミュレインを心配し宥める四象刃に、ミラ達はどうしたのだろう、と疑問に思った。
ただ、アルヴィンはウィンガルを睨みつけ、それに気付いたウィンガルと睨み合っていた。



睨み合い勃発



(っ、レティシャさん…!)



20111212

会話はなんとなくこんな感じだったよなぁ、といううろ覚えで打ちました←

ヒロインはレティシャに懐いてました。正気を戻す率が高かったから、その時はヒロインを娘のようにレティシャは可愛がっていたので。

という設定です。

読んでいただいてありがとうございました!

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