破れてしまった。
ミラは、確かにそう呟いた。
「…そうか、そういうことだったのか!」
呟いたと思えば目を見開いて何かを確信したように叫んだ。一体、なにが?
「槍は、兵器などではなかった」
「ミラ?」
「兵器じゃ、ない?」
アンが呟くように発した。刹那、ドンと大きな音と共に空から、"何か"が降ってくる。
其れが地に落ち、けたたましい音をあげて爆発していく。傍らでは、絶命していく兵達の声。
「な…どういうことだ…!」
「アミュレイン、」
「、私、何も聞いてません!」
アルクノアに潜入していても、裏での仕事しか知らされていない。クルスニクの槍は、軍兵器としか聞かされていないし、こんな、こんなことになるなんて聞いてない。
私と同じく、アルヴィンも何も聞かされていなかったのだろう。眉を寄せ、状況を飲み込めていない。
空から、沢山の船が降りてくる。空飛ぶ船なんて知らないし、理解できない。
その船の奥で、きらりと何かが光った。その光りはどこかに向かい、消えた。
「な、何あれ…」
「こわいよー!めっちゃこわいよー!」
レイア、ティポが驚きの声をあげる。誰だって、驚くだろう。
その傍ら、"空を駆ける船だと"と、ガイアス様が船を見ながら言った。
「ついにやった。くくくく…くはははは!」
後ろから、というか崖の上から聞こえた声には聞き覚えがあった。何度殺してやろうかと考えた男。
ジランドが、空を見上げ高らかに笑った。
「ジランド、どうなってる」
「っ、ジランド!私、なにも聞かされてないわよ!」
アンとアルヴィンの声が重なる。"あれがジランド!?"と驚きを隠せないミラの声が聞こえた。
"ジランド…お前!"
聞こえた低い声はアルヴィンの声で、見ればジランドに向かって銃を構えていた。しかし、アルヴィンに氷の槍が襲い掛かる。
「!」
それに驚いたのはジュードとローエンだった。
「っ、貴様!」
「、やめろアン!」
アンは無意識に銃をぶっ放していた。ジランドに向かっていた銃弾は、男の前で氷の槍によって落とされ、ジランドは無傷。代わりにアンが氷の槍に襲われた。
「きゃ、!」
「、危ねぇ!」
氷の槍に襲われ、身体を裂かれる痛みを覚悟していたアンは、氷の槍が直撃することなくアルヴィンに腕を引かれたことによって逃れた。
まさか、まさか助けられると思っていなかった。
「怪我してねぇよな?」
「えぇ、ありがと」
掴まれたところが熱い。心臓が痛い。こんなときに不謹慎だとは思うけれど、心臓はこれまでにないくらい早く、五月蝿い。それが何故か、アンにはわかりっこなかった。
掴まれた腕。
(知りたいけど知りたくない)
20111124
久々更新です。
なんかもう過去のと矛盾点が多すぎる気がします\(^O^)/←
修正もしなければ…!
今日はもう1つ連載あげれたらいいな…いい、な!←
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