TOX | ナノ

心と体は裏腹

銃声、それはある二人の男女が生み出したもの。

女は、己の主である男を庇うように立ち塞がり、男の銃から放たれた弾が頬を掠めた。


男は、ただ女の主を睨みつけ動くことなく、女同様に、女から放たれた弾が頬を掠めた。


「アルヴィン、頬、大丈夫…ですか?」
「あぁ、大丈夫だ」


男に声をかけたのはエリーゼ。ちらりと横目で2人を見たアミュレインは再び銃を構え、アルヴィンに照準を合わせる。


「私のガイアス様に銃を向けるなんて、命知らずね」
「おたくみたいな美人に殺されるなら、本望だな」


貼付けたような笑みを向け言い放つ男に、女…―アミュレインは眉を寄せた。


「ガイアス様の進む道の邪魔は、させない…!」


双方の殺気が最大限に膨れ上がり、銃を手にしていたアミュレインはホルスターに差し込み、右手に槍を出現させた。



「ゆくぞ!」
「…来い!」


ミラ、ガイアスの声が響き、戦闘が始まった。

地を蹴り、ジュードに近付けば、驚愕の顔を浮かべた。


「…アン、?」
「―…天雷槍!」
「くっ…、」


槍に電流が走ったかのように、繰り出された技を受けたジュードは苦痛に顔を歪めた。


「アン、なの?」
「…誰のこと?」

「はぁぁあ!」
「っ、ガイアス様!」

ミラの声が聞こえ、振り返るとガイアス様がミラの剣を受けていた。
ガイアス様が怪我をするとは思えないし負けるなんて心配はしていないけれど、ガイアス様に剣を向けていることが問題なのだ。


「キュア、」


瞬時に唱えた術は粒子となりガイアスに降り注がれた。


「いっくよー!」
「ち、」

「いきます、
ネガティブゲイト!」
「っ、ぐ、」


エリーゼが放った精霊術が、アミュレインを襲う。防御も出来ずに、直撃した術に飲み込まれるも、其処から抜け出し、槍をぎゅ、と握りしめた。


(この2人には
攻撃、できない…!)


「まだ駄目だって言ったろ、

―エアリアルバレット!」
「、きゃ、!」


繰り出された銃撃を跳び上がり避ける。棍と術、そして銃撃に体力を少しだけれど削られ、左の腕はアルヴィンの技によって一線ができ血が流れた、


「ふふ、連携されちゃあね」


くすりと笑ったアミュレインは、どこからかグミを取り出し口に放り込む。

こきこき、と首を捻り音を鳴らせば、目を閉じた。


「はいはい注目ーっ!



―…エクスプロードォ!!」


どん、という激しい音。
朱に染まるアミュレインの周り、そして近くにいたアルヴィンはそれに直撃した。







「アミュレイン、退け」
「はーい、」


ゆっくりと、ガイアスの後ろまで歩き、アミュレインはミラ達を見た。そこまで酷くはない傷を負っている彼らを見て、ふと思う。

(私が、アンだとバレたら、どうなるんだろ)

(そういえば、さっきジュードにバレた、んだっけ)



「…はぁぁぁあ!!」


ガイアスの剣から繰り出される技。其れがミラ達の間を抜けた。



心と体は裏腹



(エリーゼとレイアは、無理)
(…ごめん、ごめんね)



20111110

戦闘シーン苦手\(^O^)/
とりあえず、ガイアス様と戦いたかっただけ←

ガイアス様大好きすぎるヒロインも、エリーゼとレイアには攻撃できずに、わざと技を喰らった、という小話←




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