「恐れるな、今もっとも恐れるべきは人間と精霊の命が脅かされることだ」
ミラの凛とした声が響く。
「ミラ、危ない!
何するんだ、僕達は敵じゃない!」
「ジランド様から"指揮者イルベルト"は敵となったと伝達があった!」
「…一気に蹴散らすぞ!!」
ミラの一声で、戦闘が始まった。
「っ、まだいる、ですね!」
「アン、大丈夫?」
「はい、ジュードは平気?」
「うん、もちろん!」
何人切っても、後から後から増える兵。いい加減うざったい、彼らの疲労は目に見えていた。
特に、レイアとエリーゼ。ミラは特攻しすぎて体力減ってるし、
一応、味方識別はした。
ぶっ飛ばすなら、いま
「みんな、離れてください!」
「、アン?」
「覚悟はいいですか?
―…弱き者よ、永久の闇に消え失せろ!!」
マナが溢れる。
久々の感覚に、身体が喜んでいる。
詠唱をはじめたアンから距離をとったジュード達は、言葉を紡ぎだした突如目の前に、ラ・シュガル兵の足元に現れた穴に驚く。
「死神の誘い(デス エンド)」
ドン、と爆発音が響く。
視界は、ただ黒が広がり、聞こえるのは風の音だけ。
「さよなら、」
ざん、という音と共に、視界はまたクリアになる。目の前にはアンの姿だけ。数百といたであろうラ・シュガル兵は一人として残っていなかった。
「アン、いま…」
「…えっと、しつこかったので、秘奥義?をどかーんと」
えへへ、と笑うアンに、ぽかんと口をあけるジュード達。
確かに、アレを初めてみたら驚くのも無理ない。
絶命していった兵達は、何も知らず、一瞬で逝ったのだ。痛みも、何も知らずに。
刹那、大きな音と声。
「ジランドか!」
「うぅん違う、あれは…ア・ジュールの?」
「…四象刃、」
ミラ、ジュード、ローエンの順で話す。見れば、懐かしいとは言えないけれど、私の大事な仲間。
「まだ増えるか。
アグリア、アミュレインは合流出来そうにないのう」
兵を飛ばし、黄色い民族衣装を着た巨体。ジャオの声が聞こえた。
「あぁ、たまんない。焦らさないでよ、ウィンガル」
「奥の赤い鎧。
あれが指揮官だな」
プレザの声が聞こえた。
彼らの前にいる兵士を見渡すウィンガルが、いうと"よし、"とジャオが叫んだ。
「敵は3人だ!かかれー!」
ラ・シュガル兵の声。
―…戻るなら、今か
「待て」
「な、」
最後尾に移動した私はウィッグに手をかけた。が、アルヴィンに腕を掴まれた。
睨みつけると、手を離し"今はやめとけ"といつになく真剣なアルヴィンに止められた。
「合流を命じられてるの」
「んなこと知るかよ」
「私は、此方側にいるべきじゃないの」
「…今は、やめとけ」
ぐ、と強い力で、また腕を捕まれた。こいつは本気らしい。
「気に入らないな、そういった姿勢は」
「そうやっていつも先走るんだから…嫌いじゃないけどね
―…邪魔しないで!」
パラパラと術書がめくれていく。
「女だ、女を狙え!」
「王手(チェック)
―…失礼、王と呼ぶには相応しくなかったな」
ざしゅ、と音。
ウィンガルが兵を切り捨てた。
「…来たかマクスウェル」
四象刃、対面
(戦闘になったらどうしよう)
20111025
や、やっと四象刃だせた
この後どうするかは決めてません\(^O^)/Yahoo!←
なんとかなる、と思いたい
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