TOX | ナノ

最重要任務。



命令されたら仕方ない。
私は命だって賭けられる。


「マクスウェル一行に…ですか?」
「そうだ」
「でもガイアス様、マクスウェル一行にはあの男がいるのでは」

「奴だけでは心許ないからな」
「ウィンガル…」
「お前にしか頼めぬのだ」
「…もう陛下の馬鹿ー」


今まで、アルクノアに潜入していた。色々収穫もあってガイアス様に褒められて、いい気分で部屋に戻るところだった。けれど突然、先程の広間に再度呼ばれて、膝を付き陛下の言葉を待っていると四象刃の4人が遅れて現れ、ぱちりぱちりと瞬きを繰り返し陛下を見ていると、言われた言葉。
会いたくない奴がいる、だから思わず答えると、私にしかできないとの嬉しい言葉が帰ってきた。
けれど私は今日、しかも数刻前に帰ってきたばかりなのだ。"また長期間じゃん"と零せばくすりと笑って立ち上がり、膝をついている私の頭を撫でた。思わず顔を上げると、優しげな瞳で私を見ているガイアス様と眉を寄せるウィンガル。


「すまんな、アミュレイン」
「…ガイアス様と一緒にいたかった」
「分かっている。
任務が終われば、長期で一緒にいてやろう」


仕方ないなと笑う陛下に、嬉しくなって抱き着けば、ウィンガルに怒鳴られた。傍にいたプレザは苦笑し、アグリアは興味なさそうに欠伸をしていた。

「アミュレイン、陛下から離れろ」
「ウィンガルったら嫉妬?」
「…アミュレイン」

「はいはいごめんなさいねー。陛下、じゃあ早速…今から出発しますね」
「…気をつけていけ」
「うん、りょうかい!」


潜入したら連絡いれますね!と笑顔で広間をでた。…正直、嫌だ。行きたくない。あの男がいる一行に入る等、したくはない。けれど…。ガイアス様の命令だからなぁ、と城から出てどう接触しようか考えた。というか、この姿の私をあの男は一度だが見たことがあるはずだ。このままでいくと確実にバレる。


「カツラ被ればいっかー」



最重要任務。



(気楽に気楽にー)



20111008

序章になります、はい。
打ってて自分でもぐちゃぐちゃすぎてこの子なんなのかわかんないです私←


prev / next