抱かれるのは慣れた。
そこに愛なんてない、そんなの必要ない。
躊躇いなく人を殺めたし、抱かれることにだってもう慣れた。
―…行為後の部屋の臭いは嫌いだ。
乱雑に脱がれたアルヴィンのシャツを床から拾って羽織り、窓を開ける。
心地好い風に目を閉じてると、窓際に置いてあった煙草に火をつけ肺いっぱいに吸い込んだ。
「前も思ったけど、慣れてんな、おたく」
言ったアルヴィンに目を向け、くすりと笑う。確かに、私は慣れすぎている。
「…まぁね
で、これからどうするの?」
「戦争、始まったみたいだぜ」
「、そう」
「知らなかったのか?」
知らなくても別に問題はなかった。
戦争が始まり、聞けばファイザバード沼野から、兵力は5万、進攻方法は不明らしい。
それをジランドが予期し、新兵器を運んだらしく"指揮者イルベルト"、ローエンが戦に向かうことになった。
「…本当にごめんなさい」
「気にしなくていい。
身体はもう平気か?」
「はい、今すぐにでも出発できます」
アルカンド湿原を抜けてファイザバード沼野へ。
途中、バルースゲコゲコとバルースオタオタとの戦闘になり、ゲコゲコ嫌いな私は、オタオタを全滅させ後衛の後ろに待機した。
「アンってゲコゲコ嫌いだよね」
「…あぁ、前に攻撃をくらってからあのヌメっとしたのが気持ち悪くって」
「大丈夫、です!
私が精霊術で全滅させますから!」
「ふふ、ありがとうエリー」
にこにこと笑うエリーゼに笑いかける。"私も!"とレイアも言い、ありがとうと言えば、エリーゼが抱き着いてきた。
「ほらほら姫さん達、さっさと行くぞ」
「うぁ、ちょ、アルヴィン」
アルヴィンに腕を引かれて、また歩きだす。
ラ・シュガル兵の駐基地につくと、所属と階級問われてローエンが答える。すると作戦を話してくれるらしい兵士に通された。
ジランドは新兵器について詳細を教えていないらしく、それを不審に思うのは当然だった。
嫌な予感がする、誰かがポツリと呟いた。
クルスニクの槍を使うのは明白だ。しかしその"カギ"はミラが奪い、ミラは巫子イバルに渡したと言っていた。
ならば、新たなカギを?
うぅん、ここにはアルヴィンがいる。言葉巧みに人を騙す男、きっとアルクノアと話をして、何か起こすに決まってる。
不意に、ハロウの羽音。
近くの岩陰に向かい、手紙を読むと、戦地に四象刃のアグリア以外がいるということ、出来るなら合流を…と書いてあった。
「アルヴィン、アン?」
「ジュード、」
「いた、何してたの?」
「ちょっと吐き気。…でももう平気ですよ」
「そっか、でも…あまり僕達から離れないでね」
「わかりました、」
どうやら、私のいた場所とは違う岩陰からアルヴィンの、怪しげな声が聞こえたらしい。
そしてジュードが名前を呼ぶと、アルヴィンは彼が思っていた場所とか違うところから現れた。
一度裏切られているからか、うかがわしい行為はしないように、と念を押されたようだ。
いざ、
戦地へ向かう
(この状況はバレるでしょ)
20111023
久々更新です(;∇;)
ちょっとここら辺も曖昧すぎます\(^O^)/
早く四象刃に会いたい←
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