「…さいあく」
仕事だと言われ、アルクノアのジランドに呼ばれた。カツラは取って鞄に突っ込んで、服も適当に買った。
現れたジランドは、不気味な笑みを浮かべて全身を舐めるように見て、さらに口許を歪めてきた。(きもちわるい!)
仕事は、ラ・シュガル王、ナハティガルを殺すこと。ジランドは青い、人とは言えない存在を連れていた。
「ジランドさん、」
「コイツで撃て。心臓を一発で、だ」
「暇じゃないんです、けど」
ぱぁん、と乾いた音が鳴った。平手打ちされて、少し後ろに吹っ飛んだアンはジランドを睨みつける。
「…わかりました」
立ち上がると、尻を撫でられて鳥肌が立つ。今すぐにコイツを殺してやりたくなるほどに。
「行け」
「…御意」
行けと言ったくせに、後からジランドも来るらしく。ジュード達と鉢合わせにならないよう、教えられた裏道を通って目的の部屋に着いた。
私が侵入した直後にジランドは入ってきて、胸やら尻やら腰やら厭らしく撫でまわしてきた。
イライラする。というか、この銃でコイツ撃ちたい。けれどそんなことしたらジランドの精霊?らしき存在に私が消されてしまうのがオチだろう。
「っちょ、ジランド、さ」
「…静かにしていろ」
「ふ、ぁっ」
少しの抵抗言葉は、男の口により塞がれて叶わなくなった。ねっとりと歯列をなぞられて、背筋が粟立つ。我慢、我慢しろ私。そう言い聞かせて、されるがままだった。
入口から複数の気配。
きっと、彼らが来たのだろう。
「ジランドさん、来ました、けど…っあ!」
甲高い声が、小さく響く。ぱ、と振り向いたのはアルヴィンだけ。きっと彼以外は気付かなかったのだろうが、はだけた胸と後ろから押さえられているアンの姿を、きっと、彼は見た。
ナハティガルとの戦闘と、満足したらしいジランドと見ていた。玉座に座り、ローエンと言葉を交わすナハティガル王。彼らは、本当に信頼しあっていたのだろう。(私には関係ないけど)
「いまだ。やれ」
「…はい」
「了解しました、」
す、と手をナハティガル王に向ける青い存在。ジランドに渡された銃を構える私。
照準を合わせてトリガーをゆっくりと引く。カチ、と止まりぐっと力を入れるとパァン、と弾ける音。見なくてもわかる。言われた通り心臓に当てると、次いで青が氷を放った。
「よくやった」
「いえ」
「また連絡する」
「…わかりました」
また裏道から宮殿を駆け、宿屋につけば服を着替えウィッグをつける。これで彼らが帰ってきても平気。いつも通り薬を飲んでベッドに腰掛けると、身体が震えた。
「きもちわる」
思い出したくもない先程の行為に吐き気がした。甥っ子ってきいてたけど、まだ彼のほうが。
「…彼のほうが優しかった」
「誰と比べて?」
「、アルヴィン」
扉の前で聞いていたのだろう。がちゃ、と扉の開く音と同時に入ってきたアルヴィンに、アンは肩を揺らす。
「で、彼って誰?」
「関係ないでしょ」
「へぇ、そう」
ベッドに座るアンを見下ろしくつくつと笑ったアルヴィンは、屈んでアンの顎を指であげる。
「…あんな場所でヤるなんて、とんだ淫乱だな」
「っ、それは!」
"ちがう"
―…別に彼に弁解する必要なんてない。けれどあれは仕事の一環。それだけだ。
「身体、大事にしたほうがいいんじゃない?」
「…それ、アンタが言う?」
笑ったアルヴィン。けれど目は全く笑っていなくて。奪うようなキスに、身体はベッドに沈んだ。
慣れすぎた事
(目的のためだけに)
(行為も殺人も沢山してきた)
(全ては、ガイアス様の為)
20111018
頻繁に交わらせたがる私←
次はちょっとだけアルとの微裏含めようかなと。
(当サイトの裏、微裏の範囲は"※"に書いてます)
ジランドおいたんと公開〜的な行為に負けず嫌い発揮したアル君ですはい←
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