翼竜ワイバーン。
この旅の目的を、私はよく知らなかった。イル・ファンに向かい、兵器を壊すとアルヴィンから聞き、だからワイバーンが必要だったのかと納得した。
イスラの婚約者、ユルゲンスが宿屋に来てワイバーン準備が整ったことを伝えにきた。アイテムも補充したし直ぐに出発が可能となった私達は、ユルゲンスに礼をいいワイバーンに乗る。
「…私、一人でいい」
「でも危ない、です」
「そうだよ、」
ワイバーンに乗る、そこから問題が発生した。私達は7人。2人ずつ乗るとしても1人余る。ここは私一人で、と名乗りをあげるとレイア、エリーゼが反対した。
「ふむ、どうしたものか」
「私が一人で乗りますよ」
「いや、私が…」
「「アンは絶対に駄目(、です)」」
見事にハモる2人に苦笑い。ローエンが一人で乗るといい、それに賛同する声が上がる。私としては一人でも構わないのだ。少しだけ問題があるだけで。
「私と、エリーゼでいいだろう」
「はい、ミラ!」
「じゃあレイアは僕と」
「うん、了解」
ミラとエリーゼ、ジュードとレイア、ローエンは一人。そうなると必然的に私はアルヴィンと乗らなくてはならないわけで。反論したい、その思いが強かったのだが、ここでそうすると、キャラが崩れてしまう。ぐっと堪えて、仕方なくそれに了承した。
「しっかり捕まってろよ」
「うっさい、わかってるからくっつかないで!」
密着度が高いわけで、嫌々ながらもワイバーンに乗り、其れから手を離さぬようしっかりと握った。
「いくぜ?アン」
「っ、いやぁぁあああ!!」
ワイバーンが空高く飛び立つ。ふわ、と臓器が上がり眩暈がする。無理だ、おりたい。こんなのイル・ファンまでもたない…!
「っ、無理、むりぃぃいい!」
「お前、もしかして」
高いところが苦手。いつも屋根の上を移動するけれど、正直なところそれすら怖い。高所恐怖症である私がワイバーンに乗る。そんなの耐えられない、それが私の抱える問題だった。
気圧があがり息苦しいし、高すぎて怖いし一緒に乗ってるのがこの男だし、ああもうなんなのよ、ガイアス様のばかぁぁあ!と内心半泣きだった私。前方の、ミラ達のワイバーンに突如、巨大な何かがワイバーンを妨害した。
「ちょ、何あれ」
「っ、アン俺に掴まれ!」
「っ、きゃぁああ!!!」
ごう、と音が聞こえて、私達の乗っているワイバーンが落下していく。ミラ達のワイバーンも落下。思わずアルヴィンに掴まると、彼は片手で私をしっかりと抱き留めてくれていた。
「っ、はぁ…はぁ、」
「大丈夫、アン!」
「っ、…はぁ、」
震える。あんなにも怖い思いをしたのは初めてだった。こんな、弱いところを見せたくないのに、高所と、落下、どちらも一気に体験してしまい、ぼろほろと涙が溢れ止まらなかった。
かたかたと震えたまま、私はまだアルヴィンに掴まり顔を埋めていて、まるで大丈夫だと言うかのように彼が背中をとんとんと叩いてくれた。
高所恐怖症。
(ていうか涙とまれ!)
20111011
ゲーム沿いにしたいのに会話とか色々すっとんでて捏造連載になってます←
とりあえず、アルに抱き着いて、さらに号泣する夢主を宥めるアルが書きたかっただけという←
セリフとかちゃんとしなきゃ…!
イル・ファンでナハと戦うとこらへんからはちゃんと書けそう←
(まだプレイ中だけど、動画サイトって便利よね!と言いたい←)
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