裏切ることは至極簡単なことだ。
私を見て、アルヴィンの口元が動いたのを見逃さなかった。確かに、彼は今、"アン"と言ったのだ。バレた?…いや、そんなはずはない。決してバレないよう、徹底していたのだから。
マクスウェルに協力を、というかクルスニクの槍を寄越せと陛下が言うも、マクスウェルはそれを拒否。
「寄越せば、痛い思いはしないわよ」
「だとしても、人間の手に渡って良い物ではない」
ミラに言うと、目を伏せて彼女は言った。使命を全うしようとする彼女は、なんというか…綺麗だと思う。やる、と決めたとき揺るぎないその心は瞳に映る。彼女の瞳は、決して揺らいでなどいなかった。
ウィンガルが彼に目を向ける。するとそれに気付いた彼はこちらにゆっくりと歩いてくる。彼に、仲間は、思わず声をかける。
「アルヴィン!?」
「悪いな、これも仕事なんだわ」
後ろを見ずにそう言った彼に、ジュード達は目を見開いた。仲間からの裏切り。それは精神的に相当なダメージを受けるだろう。
「アルヴィン、クルスニクの槍はどこにある」
「…巫女のイバルだ。
今頃ニ・アケリアで大人しくしてるんじゃないか?」
"最低だ"と、エリーゼが言った。そう、この男は最低だ。裏切ることに躊躇いなどない。嘘を重ね、自分を隠し、独りになる。孤独が嫌だと誰より思っているくせに、自ら独りを選んでいる馬鹿な男。
「陛下!
………………アル、」
「よ、プレザ」
「どしたの、プレザ」
「ラ・シュガルが進行してきました」
プレザの言葉に、目の色を変えた陛下。マクスウェルを配下にとお考えになった陛下からの命で、マクスウェル達を捕らえることになったのだ。彼らを裏切り、情報を売ったアルヴィンは、彼らを見送るだけしか出来ずにいた。
「ガイアス様、私は此処にいていいですか?」
「…いや、お前も行け」
「……はーい、」
"一緒にいたかったのに"と言えば、こんな状況にも関わらず頭を撫でられた。この服装で、頭撫でられるのもなんか微妙な感じ、と眉を寄せていると、ふと視線を感じその視線の先をみると、アルヴィンがこちらを見つめていた。
「…じゃあ、行ってきます」
「俺も、一緒に行かせてもらうぜ」
裏切り行為。
(自分を傷付けてると)
20111010
ミラ達空気wwww
なんだコレどうしよう←
プレザ入ってくる前に、ウィンガルに話してた?
それともプレザ入ってきてからウィンガルに言ってた?
曖昧すぎて泣ける←
prev / next