王の狩場。そこには頻繁に行っていた。
何度も行ったことのある其処。数回の戦闘し、やっとエリーゼの元に着いた。アルヴィンとの連携は…悔しいことによくとれて、戦闘がしやすいのは確かなことだ。よく庇われるのが嫌だけれど。
「エリーゼ!」
「おっと…近付かないでもらおうか」
「っ、」
「アン!」
エリーゼを呼ぶと、気配なく現れた男。後ろから首にナイフを当てられた。殺るなら殺ればいい。けれど、そんな簡単にやられるわけにもいかない私は、小さな声で呟くように術を唱えた。
「闇に消えよ、」
"ブラックホール"と小さく言えば、一瞬にして男は絶命、からんとナイフの落ちる音が聞こえた。その様子に驚いていたのは、その場にいた全員だった。
「もうコイツには用はない!」
ティポを投げつけて、去っていく男。その際、アルヴィンに思い切りぶつかり、思わずアルヴィンは壁に頭を打ち、力無くずるりと座り込んだ。"ティポ!"と地面に転がる其れを抱き上げ大丈夫、ティポと泣きそうになりながら問う。すると、"名前を決めて"といつもと変わらぬ声で言うティポ。エリーゼは、泣くでもなくただ、その場に座り込んだ。
何をするでもなくただそこにいたのだが、どちらにも声をかけるべきではないと判断し、そろそろマクスウェル達が来るだろうと、溜息をついてそこからゆっくり離れた。
「、ハロウ」
扉の近くに愛鳥ハロウはいた。足には紙。きっとプレザからだろう。紙を取るとハロウは肩に乗り擦り寄ってくる。
「…よし、了解ね
…こんな格好してたらガイアス様怒るだろうなー」
普段の格好でもガイアス様は怒る。女らしい格好をしろ!とウィンガルとジャオ3人で怒るのだ。アグリアとプレザはどちらも女性らしい格好してる(スカートと胸強調服だし)。けれど私は、七分丈のパーカに短パン。ロングブーツを履いているから露出も少ないし動きやすい。3人はそれが気に食わないようで、正装の時は3人の好みとプレザの意見で勝手に決められた(まだ着たことないけど)。
プレザ宛てに、また手紙を書いてハロウを飛ばせた。2週間ぶりに、陛下と四象刃に会える。
「アン!」
「、ジュード」
「二人は?」
「中にいます」
中に入ると、はは、と笑いアルヴィンがこちらを見た。
「俺達に任せてくれるんじゃなかったのか?」
「それでも、心配だったんだ」
「エリーゼ、大丈夫?」
俯いたままのエリーゼに、レイアが問う。するりと腕から抜けてその場でくるくる回ったティポに皆が安堵した。
「ティポ…」
「ぼくの名前はティポだね」
ティポは、データを抜かれ、初期化された人形と化していた。
外に出ると、エリーゼはイスラによって売られたと知った。エリーゼは、微かに震えていた。シャン・ドゥに帰ろうとすると…2mを超える巨体が歩いてきた。ジャオ、…四象刃の一人で私の父のような人だ。一瞬私をちらりと見て眉を寄せたのがわかった。
エリーゼの両親は既に亡くなっている、と言われてレイアをジュードは気を遣ってエリーゼに気にしないよう言う。すると、普段では考えられない態度で"親がいる二人にはわからない"と言い切り、走りさった。ジャオは、マクスウェル達を見て、娘っこを頼むと、言った。
「王の狩場」
(やっぱ帰りたくないかも)
20111009
ここあやふやなのでおかしいことになってます。
ミラ達空気www
prev / next