*ビッチヒロイン攻め

















ハルの焦った顔が好き。

普段はポーカーフェイスで表情を崩さないからとても貴重だと思う。


だからフェラも嫌いじゃない。


「…っん」

「ふ、ちゅ、ハルきもちい?」


全体を舐めたりちゅっちゅっと軽くキスをする。
大きくなって少しずつ乱れるハルの呼吸を聞くのが楽しい。

ああ、余裕なくなってきてるんだなあって実感出来るから。

少しずつ、少しずつ…


「ねえハルってば」


答えてくれないハルに痺れをきらして先端をパクリと口に含んだ。


「はうっー!」

「はう、だって可愛いーハルちゃん」


茶化しながら軽く吸い上げると頭に添えられていた手に力が入った。
髪の毛を引っ張られて少し痛い。

見上げるとハルは顔を真っ赤にして涙目になりながらこちらを睨んでいた。


全然怖くないしむしろ可愛い。



「…名前」

「ん?」


言いたいことは分かるけど分かってあげない。
次の言葉を言いたいのに呼吸が乱れて言えないみたいだからもう待ってもあげない。

口いっぱいにハルのモノを咥えて上下する。
口に入りきらない部分は手でしごく。
たまに足の付け根あたりに手を這わすとビクッとハルの身体が揺れた。


「ぁ…はっ!」

「ハル、イくの?」

「っ!喋る、な…んあ!」



言いながらハルは私の口の中で射精った。
口の中に吐き出されたものをごくりと飲み込む。

以前飲んだときにやめろとハルに言われたけど止められない。
だって飲んじゃった後に少しむけれるハルが見れるから。


ちゅぱっと音を立てて口を離すと唾液が私の唇とハルを繋いでてイヤらしい。


「一人でイっちゃ駄目っていつも言ってるじゃん」

「はぁ、はぁ…」

「ちゃんと我慢も覚えようね、ハルちゃん」


真っ赤な頬を撫でる。
男の子なのにすべすべで羨ましいな。


「…って聞いてるハル?」


つり目気味のハルの目はとろけて真琴みたいに垂れていた。
きっと真琴もみたことないだろうな、こんなハル。

そう思うと更に嗜虐心が煽られる。

いまは萎えたハルのモノに腰を落として擦り付ける。


「あ!だ…ぅ、ん!」

「ん…また勃ったねハル。三回も出したのに、ほんとエッチ大好きなんだから」

「んあ…はあ、ふ…ぁ、First name…First nameっ!」

「うん?」


擦り付けながらハルの乳首に吸いつく。
こっちも赤くしてぷっくりと勃ち上がってきた。

見上げればハルはもう涙目で口をパクパクさせていた。
「ちゃんと教えて?」


言えるよね、と言って唇をなぞる。

ぎゅっと唇を噛み締めるハル。


「…い、いれたい」
「また口ですればいいの?」

「っFirst nameの中に、いれたい!」


羞恥心でいまにも泣き出しそうなハル。
本当はもっとエッチな言葉を言ってほしかったけど…まあ及第点かな。


「うん、挿れていいよ」


了承を示すように頬にキスをするとハルはがばりと起き上がって私を押し倒した。
その勢いのまま足を広げられ一気に奥まで突き刺すように挿れられた。


「ぁああ!」

「ん…っあ」

「あ、ハル!あん、あ、あ、ふ…ああ!」


ぐちゅ、と音を立てて激しく奥をつかれた。
散々待てをしてきたハルに余裕なんてかけらもなくて、ひたすら奥をつかられる。
「あ、ハル…ハル!」

「っだから、名前…」


奥に打ちつけられて縋るようにハルの名前を連呼した。
だけどハルは不機嫌そうに眉を寄せていた。


「ちゃんと…ぁ、遙って…呼べっ!」


ハルが私にハルと呼ばれるのもましてやハルちゃんと呼ばれるのが嫌なのは知ってる。
ヤる度に毎回言われてるからね。

いつもならもう少し意地悪しちゃうんだけど今日は余裕ないみたいだし、特別。
だって奥ばっかりいっぱいつかれて、乳首もちゅぱちゅぱ音がするほど吸われて気持ち良い。


「ぁ…はる、かっ!遙ぁ!」

「っあ!」

「んあ!あ、おっきく、しないでえ!あ、や!」

「無茶、言うなっ!」


大きくなったぶんきつくなって更に遙のモノが私の中に入ってるのを感じちゃう。
おまけにさっきよりスピードを上げるからもっと中が擦れて気持ちいい。


「あ、ああ、遙、あ、もうイっちゃ、イっちゃう!遙!」

「あ、First nameっ、おれも…!」


イくと言うと遙はぎゅっと抱きしめてきた。
多分、遙ももう限界。


「ん、あ、ああ!」

「First nameっ!」



遙に名前を呼ばれながら絶頂に達した。
遙も私がイった締め付けに耐えかね、びゅるびゅると精を吐き出していた。


遙とのセックスはこの上なく気持ちが良かった。
他の人を知らないから比べようがないが、私の中にぴったり収まる遙のモノがとにかく心地いい。

なんなら動かさず挿れたままでもいいくらいだ。


相性ってこういうこというのかな、とぼんやり考えながら眠りに落ちた。







***


「もう行くのか?」


背後から声がして振り返るとハルがベッドに仰向けになりながら首だけこちらに向けていた。


「ごめん、起こしちゃった?」

「別に。なんとなく目が覚めただけだ」


言いながらハルは起き上がった。

身なりを整えているFirst nameと違って起きたばかりの遙は裸のままだった。


しかしその姿も見慣れたもので特に気にする様子もなくFirst nameは続けた。


「ハルが寝てる間にお風呂借りちゃった。ごめんね」

「…別にいい」


ベッドから離れFirst nameの背後に立つ。


「貸せ」


首もとに手を伸ばし細い金属で出来たチェーンを摘まんだ。


「あ、ありがと」


ネックレスのフックが上手く引っかからず苦闘していたのを見かねて遙が助け舟を出した。

金具が留めやすいよう少し俯く。
白い首筋が目の前に晒され、遙はごくりと唾を飲み込んだ。「ハル?」


名前を呼ばれ我に返った。

頭を二三度振り雑念を拭う。


彼女には痕を残すことすら許されない。


「その呼び方、止めろっていつも言ってるだろ」

「えー今更無理だよ。真琴のが移っちゃったんだもん」


瞬間、ガチリと金具がぶつかる音がした。


「ハル?」


手先が器用な遙が掛け間違えるなど珍しい。

どうしたのかと声をかけるが返事はない。


「ハルちゃん生きてるー?真琴との待ち合わせ遅れちゃうよ」


茶化せば反応するだろうと業と彼が嫌う呼び名を口にした。


「…ちゃん付けは止めろ」

「あ、生きてた」


時計に目をやり少しそわそわとし始めたFirst nameを見ながら今度は正確に金具を留めた。


「…真琴とはもうヤッたのか?」

「ううん。お互い母親が専業主婦だから家は無理だし、初めてが青姦は嫌だしねぇ」

「初めてじゃないだろ」

「真琴との初めて」


彼女の首にあるネックレスは去年の誕生日に真琴が贈ったもの。
真琴と会うときは必ず身に付けていた。

キスマークなんかよりよっぽど虫除けになる。


「でもいいの!真琴との初めては大事にとっておくって決めてるんだもん」


えへへ、と言って少し照れくさそうに笑った彼女の頭の中はもう真琴のことでいっぱいだった。


「あ、もう行くね」


別れの言葉を告げると颯爽とその場から消えてしまった。

分かってる。
分かってるのに胸が痛む。

First nameは真琴の彼女で、行為にはなんの意味もない。
ただの欲求の捌け口。
お互いそれを了承した上で始めた関係。


何も問題などない。
そう思うのに真琴と同じように「ハル」と呼ばれるのが異様に腹立たしいのは何故だろう。


考えることが億劫になり風呂場へと向かった。

とりあえず水に浸かろう。
そうすれば何も考えずに済む。


ゆっくりと立ち上がり部屋を出た。

何も変わらない一日の始まり。




【彼女の二酸化炭素で息をしている】


title by 譲二
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