風立ちぬ(邦アニメ)
監督:宮崎駿
出演:庵野秀明、瀧本美織、他

綺麗な作品だと思いました。

背景、特に空の描きかたが良かったです。
そのときの社会情景や登場人物の心情に添った描き方で、すっと絵が入ってきました。
タイトルにもある「風」の音も同じで、その音を聴いたり、描写を見たりするだけで、その情景を感じさせてしまうものでした。

二郎と菜穂子の純愛物語も素敵でした(^^*)
床を離れられない菜穂子に寄り添って、仕事をするときのあの柔らかい雰囲気には、ほっこりさせられました。
片手は菜穂子の手を握ったまま。もう片方だけで測量計を操作して、図面を描くことは大変だと言うのに、二郎は離そうとしない。
でも唯一、離れようとしたことがありました。タバコを吸いたい為でした。
それを菜穂子は許さない(笑)
二郎は菜穂子の身体を気遣って離れようとしたのにね。
クスッと笑ってしまうシーンでした。

(以下、疑問点というか消化できなかったこと…)

個人的に、ラスト周辺(菜穂子が山の療養所へ戻る場面)から内容が足りないと思いました。
黒川さんの奥さんが「好きな人には綺麗なままの姿を見せていたかったのでしょうね」と言ったとき、「ん?」と首を傾げてしまって…。
あまり辛そうな表情の描写がなかったような気がして、台詞自体はいいのですが、違和感がありました。
結局、二郎はあの飛行機で満足したのかもあやふやでしたし…。

予告にあった「まことに生きるのに辛い時代だった」というフレーズもあまり感じられず…。
戦争もいつ突入したのか、境界線が曖昧で…。

製作するに当たって、宮崎駿さんは「何にも染まらない綺麗さ」をコンセプトにしたのではと感じてしまうものでした。
綺麗さを求める為に、戦争も死も、別れも、絶望も、黒に変えてしまう物事は、極力抑えてしまおうとしたのではないか、と。

作品を作る人と予告を作る人は違いますから…。
予告は重いテーマをピックアップさせていますが、本当は“爽快さ”がテーマなのかなぁと感じてしまいました。

…でも、それだと「生きねば」とは何だったのだろう?

よく分かりません…(^^;)

以上!

2013/07/21



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