服を着て部屋を出れば、やっぱりそこにはニヤリ笑顔のベルがいた。エントランスが見渡せる吹き抜けの二階の手すりに座りながら足をぶらぶらさせている。

「ほんとにお前ってこりねーよな」
「そう言うベルもこりずに来るよね」
「ししっ、ナマエが鮫に喰われねぇか心配してやってんの。王子やっさしー」
「それ、逆じゃなくて?」
「あ、そーかもな」

再びししっと笑うベルは、親友にあたる。本当に仲良しだと自分でも思う。

「クソガエルがまたうだうだ言ってたぜ?何か難題でもふっかけた?」
「んー、ヒントをあげたんだけど」

おっかしーなー、と言えばベルはうさんくせーと呆れたように言った。手すりからぴょんと降りると、そのまま隣に並んで歩く。

「で?今からその本命さんトコ?」
「ベル、いっつもそう言うよね」

気になってんのはみんな一緒、とベルは笑った。

「ま、そーゆーことにしといてよ」

じゃあね、と頬にキスをすると盛大に溜め息をつかれた。失礼なやつー、と一言愚痴った後、ヴァリアーの屋敷を出る。





(ったく、ホント、ずりーっつーの)

あんなことされたら、もう何も言えなくなる。


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