薄くまぶたを開ければ、目の前には綺麗な銀が見える。最初の頃は部屋に入っただけで警戒されていたが、最近ではどうだ、ベッドを共有していると言うのに気付かない。悪い意味で言っているのではない。馴染んでいるのだ。自分がいることに、彼が。落ちかけている意識を糸一本の所で保ち、そっと銀に手をかけた。すると、やはり起きた。

「・・・・・・はぁ」
「おはよ、スクアーロ」
「あ"ぁ・・・毎度夜這いご苦労だなぁ」
「スクアーロと一緒に居たいんだもん。当然でしょ?」

開口一番は溜め息。その次はいつもの労い。もうお互い慣れたものだ。

「つかよぉ」
「?」
「俺は隊服着て寝てたはずなんだがなぁ」
「うん」
「何で裸なんだぁ」
「それは昨日の激しいスクアー「嘘つけぇ!俺はそこまで節操なしじゃねぇ!」

耳の奥でキーンと何かがなったような気がする。全く、冗談が通じない人だ。

「もちろん私が脱がせたよ」
「・・・普通下も脱がすかぁ?」
「だって私が裸なんだもん。フェアーじゃないよね」
「じゃあ何でお前が裸なんだぁ」
「それは昨日の激しいスクアー「しつけぇぞぉ!つかさっさと出ろぉ!」

シーツで体を隠しながら起き上がる。スクアーロの鍛えられた上半身が見えた。

「あ、」
「どうしたぁ」

もう一度ベッドに戻る。寒かったのかぁ、と心配してくる彼が、素敵だ。

「違うよ」
「だったら」
「キスしてくれたら、出る」

今日一番の溜め息をつかれた。

「ったく・・・リリィさんよぉ」
「なぁに?鮫」
「後で三枚に卸す。・・・毎度毎度、こうしてベッドに潜り込むのは諦めてるがなぁ、あのクソボスとキスしてんのも噂になってんだぁ。フランにしたってプロポーズされてんだろぉ?さらに俺ときた。何がしてぇんだ」

何がしたいのか。
そんなの決まりきっている。
でも私は嘘つきだから。

「んー好きだから?スクアーロ作戦隊長様夜のお「もういい黙れぇ」

お前の好きは信用できねぇ、と言われて、普通の人なら悲しむかもしれないけど、嬉しかった。だって、私は嘘つきだから。私を信じたらダメだから。そしてそれを理解してくれているから。
にっこり笑えば、体に腕を回されてゆっくりとキスされた。




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