白い花



「・・・・・・今何個目ですか?」

ナマエ・ミョウジが、いい加減疲れたのか溜息をついた。

「まだ25732個。式典会場に1000で、各教室に100ずつ。見送りに小型の奴を48000。イレギュラー用に500。合計50100個だ」

それより、とイザーク・ジュールは机をばんっと叩いた。

「アスランは何処へいったッ!?」
「カガリ先輩と筋トレするとか言って出て行きました」

サボりすぎだ、とイザークは悪態を付いた。有能なのは認めているが、やはりこれでは生徒会長としてどうかとおもう。

でもまぁ、ナマエと二人きりになれたからよしとするか。
とイザークは不敵に笑い、再びティッシュに手を伸ばす。

「・・・・・・しかし費用削減とはいえ、これじゃあ環境破壊だって」

そういってイザークとノヴァの二人きり作戦を立てたは良いが自らぶち壊したディアッカ・エルスマンは倉庫からとってきた山積みのトイレットペーパーを机の上に置く。どうやらティッシュがなかったようだ。

「まぁ、確かに花を買った方が早いです。・・・でも、経費削減も大切なことですから・・・・・・」

ティッシュを霧吹きで染色し、乾かしてから卒業式の飾り付けに使う花を一つ一つ丁寧に作っていくナマエ。

「しかし、これを提案したのはアスランだぞ!」

ナマエから乾かされたティッシュを受け取って作業を続けるイザーク。そしてそれをただ見ているディアッカ。

「手伝おっか?」
「当たり前だ!貴様も生徒会役員だろう!」

頼りになりそうな女性陣達はここまでにダウンしてしまい、屍が廊下に転がっていることだろう。まだまだ先があるというのに、ナマエの体力は限界を迎えようとしていた。


そのとき、


「みんな!元気にしてるか?」

勢い良く生徒会室に入ってきたのはアスランと筋トレをやっているはずのカガリ・ユラ・アスハだった。手にはものすごく大きな段ボール箱を抱えている。

「いえ、貴方の彼氏の所為で元気ではありません」

ナマエが珍しく皮肉を言い、嘲笑した。
これは相当きているらしい。

「あぁ、その件なのだが、アスランがやっぱり時間がないから買うことにしたって言って、買ってきたんだ」

カガリの一言に、ナマエは脱力して倒れ、逆にイザークはゆっくりと立ち上がる。

「で、奴は何処へ行った・・・・・・?」

一目で分かる怒気。
それがイザークの背後から立ちこめていた。

「えーと、あいつなら逃「殺すッ!!」」

そうして生徒会室にはぐったりしたナマエと、その亡骸(?)を飾るようにして辺りに散らばっている白い花が残っていた。










おまけ
ディアッカ:「大丈夫かー?」
ナマエ:「ディアッカ・・・せ、んぱい・・・」
ディアッカ:「おぉ、ナマエ!!」
ノヴァ:「イザーク先輩に、私は大丈、夫・・・と、伝えて・・・くださ・・・い・・・・・・」
ディアッカ:「分かった。お前のその言葉は必ずイザークに伝えるし、安心しろ」
ノヴァ:「よか・・・・・・た・・・・・・・・・・」
ディアッカ:「おい、ナマエ!死ぬな、生きるんだ!」
ノヴァ:「――――
ディアッカ:「ナマエーーーッ!」

カガリ:(え、花作りしてただけだよな?)












あとがき
これは夢と言えるんでしょうか?
かつ短い!!

そしてネタの提供はM・Iさんでした!!
ありがとうございました。

S・D学園の番外編だったと思います。
あ、そっちもアップしなくちゃ・・・。


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