暗殺部隊と言うぐらいなんだから、静かに殺すのが普通なんじゃないかと思っていても言わないのだから結局自分も一緒なんだろうなーと思う。目下でどんちゃん殺りあっている暫定自分の部下達は、その他大勢に気づかれると言うことを知らないのだろうか。
「わー、ずいぶん派手に散らかしてますねー」
「しょうがないじゃない。スクアーロの部下借りてきたんだから」
「あーあのアホのロン毛隊長ですかー。喧しさが移ったんですねー」
黒いカエルがいつのまにか隣に座っていたが、彼のことだ、始めからいたんだろう。
ぼんやりと月を眺めるように転がる死体を見る。死体の一つと目があった。否、まだ死体ではなかった。その死体でないものの唇が、もぞもぞと動く。
ウラムゾ。
カナラズカタキハナカマガトル。
そうして死体でなかったものは死体となった。
「いつか背中から刺されるんだろうね」
独り言とも取れる呟きに、隣のカエルはきちんと反応してくれた。
「なんですかー急に」
「こんな仕事してるわけじゃない?怨まれて当然だし」
「そうですねー」
「でも私が刺されたら、例えベルでも少しはキレて私を刺した奴を殺しに行くんだよねー」
殺したら殺され、殺されたら殺す。永遠に終わらない負の連鎖。
「デフレ?」
「何かその言い方ヤダ」
意味のないやりとりにクスクス笑ったあと、無表情なカエルはすっと立ち上がった。
「大丈夫ですよー」
「何が?」
「ミーが絶対センパイ刺させませんからー」
「何?つまり連鎖じゃなくて…」
一方的ですー。
一言そう残してフランはどんちゃん騒ぎに参加していった。