種学園修学旅行。
修学旅行と言えば、

「ラスティから順に、答えろ」

「カップル成立率の高さ、とか?」
「夜更かし?」
「枕投げ?」
「女子の部屋へ行く?」

そんなことを口々に言う男たち(ディアッカとラスティのみ)。
なるほど、俺はそんな回答をするやつが嫌いじゃない。しかし、

「ふ、甘いぜ。お前ら」

俺、ミゲルは男たちの前に立ち上がる。

「修学旅行といったら、もちろん覗きだろうが!!!」
「「!!!!」」

俺の感動的な演説にひれ伏す男、いや、今は同士。

「幸いにも今入ってきた情報によると、我らが学園のアイドルことナマエ・ミョウジが露天風呂に向かったらしい」
「ってことは、風呂場まで行ってしまうと捕まるかもしれないけど」
「脱衣場ならいける、ってことだな!!」

あぁ、同士たちよ。
お前たちの勘の鋭さには本当に感謝するよ。

「お前ら、ついてこれるか?」
「「サー、イエッサー!!!」」
「途中で死者が出るかもしれねぇ。その屍を越えて、禁断の園へ行けるか?」
「「サー、イエッサー!!!」」
「だったら着いてこい!」
「「おぅ!!!」」

こうして黄金郷(エルドラド)への道は開かれた。










「っと、早速めんどくさいのが来たな」

真面目代表、アスラン・ザラがホテルの廊下を歩いていた。別に廊下を通るぐらい堂々としていれば良いだけの話しなのだが、何せここの廊下は女子風呂に繋がる廊下で歩いていれば間違いなく覗きに行くとバレるようなもので・・・

「ってことはさ、アスランも覗きに行くんじゃね?」

ディアッカのつぶやきが聞こえてきた。ラスティもなるほど!と感心している。しかし、世の中そんなに甘くないことを俺は中学の覗きで経験していた。

「いや、アレは工作員だ」
「「工作員?」」

俺は指を立てて説明する。

「よく考えてみろ。確かにナマエが雇ったとは考えにくいが(あいつ鈍いし)、他の女子がアスランに近づくのを目的としつつも自分の安全を守るために『アスランくん、他の男子が覗きに来ないように見張っといてぇー』みたいなことを言われて馬鹿正直なアスランは何気なく見張っている可能性が高い。というかそのものだと思う。しーかーもーだ。学年ランキング上位のイザークなんか買収されるまでもなくナマエの保護に走るだろう」
「さっすがミゲル!ちゃんと考えてるね!」
「でもイザークは今の時間帯『お守り』買うのに土産物屋徘徊してたはずだぜ?」
「それを『情報操作による作戦勝ち』とでも言うんだ、貴様ら」

・・・・・・・・・・・・。

「「「イザーク!?」」」
「アスランは貴様らの注意を引くためのおとりだ。ディアッカのような安直な考えの奴が話しかけてきたら速攻で撃退するための布石でもあるがな」

もうここぞとばかりに偉そうに威張るイザーク。だが、見つかったところでなんだと言うんだ?

「ふ、イザーク。見つかったから何だって言うんだ?」
「まさか、貴様!」
「行くぞ同士たち!エルドラドはすぐそこだ!」

ってことで、強行突破。











それはそれは長い旅だったように思う。
イザークが猛ダッシュで追い掛け、器用にも三人まとめて服を掴むもんだから当然足は遅くなる。
そこに加勢するアスラン。
おいお前らこんな時だけ仲良いなーとか重いながらも俺達だって足を止める訳にはいかない。

あと五メートル。

四メートル。

三メートル。

腕を伸ばす。

扉に手がかかる。


そして、俺達は黄金郷へと雪崩れるように入った。

もちろん、アスランとイザークも道連れに。










「きゃっ」

ずいぶん可愛らしい悲鳴が聞こえた。
勿論この声を聞き間違えるはずがない。
ナマエだ。
五人一斉に顔を上げる。

そこには、


細い手足。

下着は着けているが、小ぶりな尻。

引き締まったウエスト。

そして、その白いシャツを着ているにも関わらず分かってしまう、


ぺったんこの胸。


「「「「「・・・・・・はぁ」」」」」

「ねぇ、ちょっと!失礼じゃない!?それ、失礼じゃない!?」






禁断の扉開けるべからず



ある意味俺達は一番やってはならない禁忌を犯してしまったのかもしれない。
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