誰もが多少は感じたことがある恐怖。テストだ。それが徐々に近づいてきているというのに、今まで自分は何をやっていたのか。いや、それを毎度思っているんだからこれからも思い続けるだろう。テストが始まる二週間前にはいつもやる気に満ち溢れているのだが、机に向かうとやってしまう漫画の読み返しに机の上の片付け。そんなことをやってしまうから、わざわざ放課後学校に残ってやっているのだが。

「あーもー、私のばかぁぁぁ」

テスト二日前にして溜まりにたまった提出物をガリガリとやっつけているところにやって来たモデルこと黄瀬も『あぁぁぁぁ!』と頭をかきむしっている。おい、モデル。髪の毛ボサボサになってんぞ。

「名前ちゃーん!これ、これ解けないんスけど!」
「頑張れ!心の目で見たら何となく分かる!」

余所様に構っている暇などない。今私はこの数学の問題集の(11)を解くのに精一杯なんだ。

「えー、そう言わずにー!この問い11が解けないんスよ!!」

ん?

「問い11?」
「そっス!」
「あー!私も分からないんだけど!一緒に解こ!」





二人は11の難題へ





(あー!分かった!)
(どういうことっスか!?)
(これ!このsinxをこうして……)
(あ!名前ちゃん天才!これでテストはバッチリっスね!)
(いえーい!)

二日後のテストに、その問題は出てこなかった。

(私の二時間を、返して)
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