決して失敗した訳じゃない。ターゲットも殺せたし、ボスにかっ消されることはないだろう。ただ、増援が多い。異常なまでに、多い。撃っても撃っても出てくる敵に、対に少しだけ怖くなって走り出した。

「じょ、だんじゃ…ないわ、よっ……」

別で動いていたベルは大丈夫だろうか?ルッスーリアは?というか私は今どこに向かって走っているの?
プレッシャーと緊張から、焦りが生じる。それが、自分を見失わせようと愉快に笑っているのが分かった。
その時後ろから銃声が轟く。間違いなく自分の命を奪うものだろう、と目を閉じた時だった。

「ビビってる暇があるならさっさと走れぇ!」

銃声よりもはるかにうるさい、同僚の怒声。それが近くで聞こえたものだからハッと顔をあげると腕を捕まれて立ち上がらされた。そしてその手を取って走り出す。

「ちょ、今回の任務はスクアーロは別任務でしょ?!」
「ボスから連絡があってなぁ!こっちの情報が漏れていたんだとよぉ!それで増援を呼ばれる可能性が高くなったから、俺は俺の任務を終わらせたらさっさとこっちに回れって言われたんだぁ!」

目の前から走ってくる敵も捌いていく。いつもより動きが鈍いのはきっと手を繋いで走っているせいだ。

「ねぇ!」
「なんだぁ!?」
「手、離した方が楽じゃない!?」
「バカかてめぇは!」
「何で?!」

聞けば私を助けるために来たんだと言う。
スクアーロを見ればニヤリと不敵な笑みを浮かべていた。


「死んでも話さねーよ!この手はなぁ!」


(惚れそうなんですが、いいですか?)
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