ガチャ、という扉の開く音がして目が覚めた。瞼を開けんのもしんどくて耳だけ働かすんやけど、足音が聞こえへんし話しかけてくる様子もない。ただ、ちゃぷちゃぷって水の音がする。とりあえずクラサメやないってことだけ理解した。

「ん………、誰やぁ?」

重い体を無理矢理起こして扉の方に目を向けたら、そこには洗面器を抱えたトンベリがおった。縁にタオルが掛かっとるから、きっとおでこに濡れタオル置きに来てくれたんやろ。おおきに、と言うとトンベリの丸くて黄色い目が半月になった(あれは、怒っとる?)。
うちが寝ているソファ(寝る用に買ったから割りとでかいねん)に洗面器を押し上げようとしてくるトンベリ。洗面器を受けとると、トンベリはぴょんっと跳んでうちの顔の横に着地しよった。器用や。
するとトンベリの手がうちの肩にかけられて、思いっきり押し倒された。手一つでいくら風邪引いてるとはいえ自分より大きい体を押さえられるんやから、(これ言うとクラサメに怒られそうやけど)やっぱりモンスターっちゅーのは強いんやなぁ。

「なんや、大人しゅう寝てろって?」

こくこく、と頷かれてはもう大人しくしとく方が懸命なんやろ。実際クラサメにも言われてるし、あとで報告されたら堪ったもんやない。素直に頭を枕の上に乗せたら、ぺしぺし額を叩かれた。そしてそのままトンベリが手を額に乗せてたら、よほど熱かったんか触れていた部分をブンブンと振りだした。ずいぶん人間臭いトンベリや。

「そんな熱かったんか?」

またこくこくと頷かれる。そしたら、トンベリはタオルを洗面器にザブンとつけてちゃっと絞るとまだドボドボに濡れとるタオルを顔面に叩きつけて来た。痛いし。冷たいし。

「と、トンベリー…もうちょい絞らなあかんで」

タオルを顔から剥がすともう一度絞った。それを額に乗っけてトンベリを見てみたら、なんや複雑そうな顔をしとった。

「んー」

勘の良いこのナマエ様にかかれば、トンベリの思っとることは、考えればすぐに分かる。から、うちはトンベリの頭をぽんぽんと叩いてやった。

「おおきに。トンベリのお陰で、治りそうやわ」

案の定、トンベリは表情を輝かせて(これは比喩表現な。実際トンベリの表情は何となくしか分からへん)うちに抱きついてきた。服の裾から見える尻尾がふりふり振られているから、嬉しいんやろうな。

「よし、一緒に寝よか」


トンベリに腕枕してやって、隣に感じる体温に、うちはすぐに眠りについたんや。










(今戻った……ん?)
ブンブン
(あぁ、今日一日いないと思えば、ここにいたのか)
こくこく
(ナマエの看病、ご苦労だったな)








零戦のロゼ様のみお持ち帰り可です、が…
お持ち帰りしたいですか?(汗)
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