新しく入ってこられたナマエはなんだかとっても面白い方で、もう打ち解けられたみたいです。気難しい人たちが多いこの0組でやっていけるのですから、素敵な人だと言うことぐらい分かります。そういう私も打ち解けた方だとは思っていますし、この前はお昼を一緒にさせてもらったこともあります。

「デュースっ!!!・・・・・・ぜぇ・・・ぜぇ・・・な、なぁ。ナインから聞いたんやけどな、デュースの武器ってフルートなん?」

顔にいっぱい傷を作りながらも猛スピードで近づいてきて、机を叩きながら話しかけてきたのは噂の本人で。頷いてフルートを出してみれば、すごいなぁ!と目を輝かせてくれました。息切れも吹っ飛んだようです。

「うち何も吹けへんからなぁ」

あ、リコーダーやったら吹けるかも・・・とぶつぶつ言いながらも、ニコニコしながら羨ましそうに見てくるナマエを見て、自分のフルートを見て、あることを思い付きました。

「貸してあげることはできませんが、一曲吹きましょうか?」

すると目の輝きが倍近くになったように更にキラキラさせて拍手までしてくるので、悪い気はしません。

「そんなちゃんとしたのは吹けませんよ?」

そう言ってあまり気取らずにいつものように曲を吹きます。ナマエにしっかり見られていることが急に恥ずかしくなって、戦闘時でもないので目を閉じて吹くことにしました。



次に目を開けたとき、ナマエはとどめを刺されたかのように倒れていました。










(ナマエ!?酷い、誰がこんなことを・・・っ)
――――――
(え、ナマエ?何ですか?)
(は、犯人は・・・・・・フル、)ガクッ
(ナマエ・・・?し、しっかりして下さい!ナマエっ!!)

((アンタのせいだよ、とは言えなかった))
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