の色は目の醒める







キミとの出会いは、気まぐれ?それとも運命?










『月にはうさぎが居る。』


これは良く聞く話の一つだ。

実際空気のない月面にうさぎなんて居る訳がない。
そんなの当たり前だ。そう思いながら、
幼い頃の俺は母上に連れられ、一度月へ行った。


母上は仕事で忙しかったから、俺は一人だった。
だから一人で月面にある地球軍月基地を出て、居住区を歩いていた。

そうしたら、うさぎに会った。





よく考えれば、居住区や基地には空気がある。
だから居てもおかしくない。
そのうさぎは青みがかっていたけど白くて、瞳は噂通りの紅だった。
うさぎはニッコリ笑うと『こんにちは』と言い、俺も挨拶をした。

名前を聞いても答えてはくれず、他の人に何と呼ばれているのかと聞けば、ただ一言、

『P−F02』

そう答えて、手首に巻かれている細いチェーンのブレスレットのような物を差す。
そこには確かに『P−F02』と彫られていた。





その後だった。
ブルーコスモスが俺を殺そうとしたのは。
煌めく銀色の光が、ナイフが、真っ直ぐに振り下ろされる。

間違いなく死ぬと理解した。



その時、空が、赤に染まった。
目の前に小さな火が燃え広がり、次の瞬間には先程の炎の数十倍は有るであろう炎が奴等を焼き払っていく。
俺には何が起こったのか分からず、あのうさぎは『兄さん』と呼んでいた青年に連れて行かれた。





その時、思った。

行かないでくれ、
一緒にいてくれ、と。










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