裏庭のベンチで昼寝をするのが日課だ。ここは日当たりが良くて、この季節だととても気持ちよくなるから、いつもここにいる。『いつも』というのは周りがそう言っているだけで、自分は実はそんなに頻繁に来ているイメージはないんだけど、他の0組のやつらが俺を見かけなかったら必ずここを探すというから、そういうことなんだろう。

小一時間ぐらい寝ただろうか。何かの重みを感じて瞼だけを動かして、目を開ける。俯いていたから、重みの原因がすぐに理解できた。

「何をしているんだ」
「んー、いやぁ・・・エースくんがあまりにも気持ちよさそうに寝てるもんやから、つい、な」
「膝枕の必要はないんじゃないのか?」
「んー、いやぁ・・・うち、枕ないと寝れへんねん」

じゃあ例のクラサメの部屋に戻って寝ればいいじゃないか、と思って溜息をつく。理解してくれたのだろう、苦笑いで返してくれた。

「堪忍したってーな」
「まぁ、かまわないが」
「おおきに!」

そう言うとナマエはさっさと二度寝に入ってしまった。
本日二度目の溜息をつく。出会って数日しか経っていないのに、この馴染みようは彼女の性格が成せる技なのか。

(クラサメに似なくて良かった)

血は繋がっていないらしいけど、あんな無愛想に似なくて、本当に良かったと思う。


ゆっくり目を閉じると、風が俺とナマエの頬を撫でた。










(そういえば、『おおきに』ってなんだ?)
(あぁ、『ありがとう』っていう意味やで!)
((方言ばっかりは馴染めそうにないな・・・))
(どないした?)


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