隠された真実



二人の少年が、こそこそとヴェサリウス艦内を嗅ぎ回っていました。服装はザフトの物で一人は赤、一人は緑です。それだけなら何も怪しくないのですが、所謂泥棒がよくやる鼻の下でタオルを結ぶアレをしているので、デコの広い同期とすれ違えば怪訝な顔をされ、銀色のおかっぱだがちゃんとした人間に角で会ったときは鼻で笑われました。

「(あ、隊長!仮面のを発見しました!)」

そう小さな声で呟いたのはラスティ・マッケンジーです。そして後ろにいるのは緑服のくせに偉そうなミゲル・アイマン。

何故彼等がこんなことをしているかというと、理由は一つです。

「(ふっ・・・今日こそ隊長の素顔を見てやるぜ!!)」
「(ザフトの七不思議に認定されているぐらいだから、もうレア中のレアだよ。そしてこの高画質カメラでバシッと・・・)」

「それで、私の素顔がどうかしたのかね?」

この声はーーーっっっ、と叫びながら二人は後ろを振り向きました。

するとそこには予想通り、無機質な白い仮面を着けて高らかに笑っている隊長が・・・・・・

「・・・・・・何してんの、ナマエ?」

ナマエ・ミョウジが居た。

えへへー、と持ち前の天然っぷりを活かして得意そうに笑うナマエ。
声マネはとても上手かったが、それはどうかと思いました。

「隊長からね、もらったの!」

だからといって着ける必要も無いのですが、二人は別のことで頭が一杯でした。

『隊長から』仮面をもらった

隊長の仮面をもらった

では今の隊長は?

 ・
 ・
 ・






「「すっぴん!!」」

それはちょっと違う気がします。
しかし彼らはそんなこと少しも気にせずナマエの襟を引っ張りながら超特急で走り出しました。

「ラスティ、すごいよ!私、宙に浮いてる!」
「よかったねーよかったねーっっっ!!ところで隊長どこにいるか知ってる?」

「隊長室に行くっていってたよー」

ラスティとミゲルは顔を見合わせて、隊長室へダッシュしました。

「ついに、俺達の勝利か?」
「あぁ、可能性はあるぜ」

足が浮いてキャハハハと楽しんでいるナマエと艦内を超スピードで走る二人の姿が目撃されたとか。










「ラスティ?」
「んー・・・・・・」

自室で完全に項垂れているラスティを心配そうにナマエは見守っています。

「・・・ごめんね、期待させちゃって・・・」
「いいよ、ナマエが悪いんじゃないんだし・・・・・・」

あの後走って隊長室へ向かったところ、精神的ショックを受けるシーンを見てしまったのでした。



『しつれいしまーすっ』

『どうしたのかね?』

きゅっきゅっきゅっ

『た、隊長・・・それは・・・?』
『仮面磨きだが・・・?』



まさにメンタルショック。
たくさんの仮面に埋もれた仮面隊長を見るのは、それはもうおぞましく。

ミゲルは気分を悪くし医務室へ行ったが、何とか正気だけは保てたラスティはナマエに引きずって貰って自室へ来たのでした。

「ごめんね・・・」
「気にしなくていいよ。今膝枕してもらってっから超幸せで充ぶふっ「恥ずかしいこと言わないでっ」」



顔面に肘鉄を喰らい今度こそ撃沈したラスティですが、その顔は鼻血を出しながらも幸せそうでした。













あとがき
ラスティだけ一本仕立て。
しかも、夢?
さらにしかも、終わり方が短編のラスティ夢と似ている、という・・・
何故でしょう。
自分としましては、ラスティには膝枕が似合うと・・・はい、そう思うんです((汗。

とりあえず、『ラスティの勝手に誕生日祝い in 11/11』、来年はちゃんと書こうと思います!!




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