春の日差しがそりゃもう暖かくてこんなところで寝転べばさぞ気持ちいいだろういっそ寝ちまえよーと目の前の芝生達が全力で私を誘おうとしていますが、その手には乗らねーよ!と私も全力で抵抗しようと立っているわけです。
そもそも抵抗する必要性は、本来ならばゼロ。
しかもここにいなければいけない理由も、本来ならばゼロ。
でもなぜここにいるかといいますと。

「ガハハ!ランボさんはお花いっぱいもってるんだもんねー!!」
「◎*▽○※〒@!!」

子供のお世話ってやつでして。
もし寝てしまえばあの子達が暴走したときに止める人がいない。
本来ならばツナ様という子守りの天才がおられるのですが、まぁ勉強の補修じゃあね。しょうがない。

そんなこんなで、脳内の天使と悪魔の対決を傍観していると。

「おーい」

後ろからかかる声。
振り返るとそこには山本がいた。

「山本ー部活はー?」
「今日はサッカー部が試合してるから、グランド使用禁止なんだよなー」

山本は、今日はホームラン打てる気がしたのにー、と肩を回しながら近づいてきて、そのまま私の横を通過し、今まさに私を誘惑していた芝生の上に座って伸びをした。うらやましいぞこんちくしょう。

「良い天気だなー」
「そーだねー」
「ん、」

山本が振り返った。
ぽんぽん、と自分の横の芝生を叩く。

「こっちこいよ!」



(そんなことされたら、もう芝生にダイブするしかないじゃないですか!)
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