全く何もない日。デートするでもなく、喋るでもなく、ただ側にいるだけ。付き合い始めた頃はそれでも幸せだったが、なにぶん無口なレイが相手になると、不安も当然出てくる。

(なんかなぁ・・・)

さみしい。
そう言えば終わりだが、何かもっと重大な何かが含まれているような感じがする。

「ねぇ」
「何だ?」

「私のこと、好き?」

言ってしまった。きっと重い女と思われたにちがいない。慌てて訂正しようと口を開いた。

「あ、ごめん。何でもないよ」
「いや、」
「へ?」

レイの冷たい手が、私の手を、握った。

それだけだった。

それだけで、相手の顔を見なくても、分かった。

「はいはい。分かったよ」
「ならいい」

一段と強く手を握られ、二人とも顔をほんのり赤に染めていた。


(言わないけど、伝わってるよ。)
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