「ねぇねぇ、浜面は結局どうなったの?ってミサカはミサカは聞いてみたり。」

「いつの話してンだよ。まぁアイツはあの女の意見に従うと読んでたからな。」

「エスパーなの!?ってミサカはミサカはあなたの能力の応用性を確かめてみたり。」

「悪ィが俺の能力で人の気持ちや思考は読めねェよ。能力を何だと思ってやがる。」

「でも……物騒だよね、ってミサカはミサカは状況を危惧してみたり。」

「闇討ちねェ……。何考えてンだかな、奴さンは。」

「でも犯人きっと捕まるよね?ってミサカはミサカはあなたに尋ねてみる。」

「そうだといいがな。」

常盤台中学に喧嘩を吹っかけるなど並の能力者なら考えない。いくら相手が女だからといって能力者を舐めるとどうなるか、馬鹿でも分かる。それを平気で行い成功させている辺り、よっぽど自身の能力に自信があるのだろう。

(第三位が本気出せば片付くとは思うが……。いや、そもそも常盤台中学を狙う必要性がない。闇討ちじゃねェ、何らかのアクションを求めてる。)

被害者が増えてきたことだけあってメディアも騒ぎはじめている。現にテレビでは取り扱い始めている。なんせただの学校が狙われたなんてものじゃない。あのお嬢様学校が狙われ結果被害者を出した。つまり悪く言ってしまえば汚点な訳であって。

常盤台中学側も本格的に動き始めるだろう。なんせ元とはいえレベル5が二人いる学校である。名誉や栄光がある程プライドも高い。文化祭などよりもこちらを優先してくるだろう。

(文化祭の中止が狙いかァ?……馬鹿か。たかだか文化祭程度でこンなリスクの高いことはしねェ。………いや、リスクが無ェのか?絶対にバレない自信があるとか。)

一方通行も学園都市に存在する能力を全て把握している訳ではない。だからもしかしたら上位能力者で闇討ちに特化している者がいるかもしれないのだ。

能力については恐らく芳川の方が詳しいだろう。研究者として大きな組織で活躍していた彼女ならば、何らかの実験過程で目にした可能性もある。その能力の解析まで管轄だとすると対抗法も分かっている筈だ。しかし黄泉川が芳川に頼まない限り芳川が警備員の情報を得ることはまずない。

風紀委員や警備員の動きが活発になれば犯人は動きにくくなる。流石に監視の目の前堂々と犯行を行うようなことはしないだろう。犯人も馬鹿ではない筈だ。この事件ももうじき幕を閉じるだろう。一方通行はそう思いテレビを消した。



「初春います?」

黒子が犯人について考えてると戸が開かれる。そこにはよく知る人物がいた。

「……佐天さん?」

「御無沙汰ですね、白井さん。初春いますか?」

「申し訳ないですけど今取り込み中ですの。」

「えっそうなんですか?なんかすみません、忙しい時に来ちゃって。」

「いえ、構いませんわよ。せっかくですしお茶でもどうぞ。」

「ありがとうございます。あれっ、お客さんですか?」

「はじめまして、滝壺理后です。」

「浜面仕上だ、よろしく。」

「佐天涙子です。えっと風紀委員じゃないですよね?」

「うん、ちょっと調査の協力したの。」

「俺はそれの付き添い。えっと、花っ子の友達?」

「花っ子?あぁ、初春のことですか。はい、親友させてもらってます。」

佐天は椅子に座り黒子から紅茶を受け取った。入って来て美琴が寝ていることに気づいたのか静かに飲む。相当疲れていたようで、そう簡単には起きそうにない。

「はふぅ……。佐天さん、来てくれていたんですか?」

「お疲れ様〜。花っ子頑張ってみるみたいじゃない。」

「花っ子?ちょっと佐天さん、からかわないで下さいよ。」

「初春、バンクから出せました?」

「あっはい、今のうちに出しちゃいました。」

「初春……全データ出したんですの?」

「はい、検索してそこだけ出すの面倒臭いんですよ。それに時間的な問題もありましたから。」

「時間的な問題?」

見てください、と初春は手を招く。黒子はそれに従い画面を見た。何やら画面がたくさん出ていて専門的な知識がなければ分からないようなものばかりだ。黒子は初春が何を言いたいのか分からなかった。

「……これは?」

「急にアクセス拒否されるなんて不自然だと思ったのでデータと一緒に他からのバンクアクセスを調べて見たんです。」

「貴方……いつの間に?」

「で、分かったんです。このアクセス拒否は外部からの侵入じゃありません。内部から正規の操作だったんです。」

「それって……。」

「はい。今回の事件は学園都市上層部が関わっています。」

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