特殊設定になります。詳しくは過去日記を参照して下さい。



とある会議室に子供達が集まっていた。中には小学生程の子供もいる。照明はとても暗くて子供向けの話をしているようには見えない。実際彼等は何も話さずただお互いの様子を伺っていた。ここに集められた目的を彼等は知らないのだ。そしてここにいる彼等は一体どういう括りで集められたのかも。だからお互い気を抜けない。もしかしたらこれは実験かもしれないのだから。

所変わって常盤台中学、美琴は今仕事に追われていた。周りから御坂先輩やら御坂さんと次々に呼ばれる。現在美琴は中学三年生、常盤台中学生徒会長の座に就いていた。元より頼れる人という印象を周りからもたれていたこともあるが、最大のきっかけは自身の中の"とある変化"だった。

そんな彼女には次々と案件が回って来る。普段なら大したことは無いが今は文化祭が近くなっているため格段に増えていた。しかし彼女はどの仕事にも手を抜かず完璧にこなし、その結果名声がとても上がっている。元々のリーダー気質が存分に生かされているとも見える。

そしてそんな彼女を裏からサポートしているのは彼女をお姉様と崇拝する白井黒子の存在だ。空間移動で美琴の手の回らない箇所に行き作業をする。重要案件は美琴に相談しなければならないが、大概のことは黒子自身で解決出来るため非常に有能な生徒会一員だ。

そんな彼女達は仕事から一時的に解放され休息をとっていた。香り高い紅茶に二人は癒される。

「あぁー疲れた。会長ってこんな大変なのね。」

「皆お姉様を慕っていますのよ。むしろ誇るべきことなのですわ。」

「でもこんだけの量、終わるのかしら?」

「終わらせるのが役目ですの。さぁさ、始めましょう。」

積まれた書類に目を通すべく美琴達は机に向き直った。寄せられる信頼に応えるべく、美琴の忙しい日常が始まった。


美琴達が仕事に追われている同時刻、とある少女が常盤台中学を見つめていた。髪はツインテールに結っており、いかにも小学生といった容姿。何より小学生特有のランドセルが彼女が可愛いげある小学生ということを物語っていた。

常盤台中学は能力者達にとって憧れの場所である。そこに入学したいと思う子供は山のようにいる。少女はそこから校内の生徒達の様子を見ていた。常盤台中学の文化祭は特に規制があるわけではない。よって準備も比較的大規模に行われている。

(常盤台中学かぁ…いいなぁ。)

少女はランドセルから携帯電話のような物を取り出し、短縮一番を押した。少しのコール音の後に、機械的な声が少女を迎えた。少女はそれに何も違和感を感じずに通話を続ける。

「ねぇねぇ常盤台中学見に来たの」

『そうですか、感想はどうですか?』

「いいよいいよ最高!!みんなね、平和そうな瞳をしてるの」

『それはまた……ですが常盤台中学は"元第三位"の領域ですが?』

「知らないよそんなの、どうせ元なんだから。あたしが負ける筈無いもん」

『そう言って失態を晒さないようにして下さいね。失敗すれば"お母さん"が怒りますよ』

「えっ、ヤダヤダ!!ママに怒られたくない!ママに見捨てられたら、あたし……」

『分かっています、失敗しなければいいのですから。では上には常盤台中学で通しておきます。タイミングはこちらから伝えるので勝手な真似はしないように』

プツリと通話が切れる。少女はしばらく携帯を見てからランドセルに戻した。楽しそうな生徒達を見た後少女は踵を返す。

「元第三位なんて知らない。あんたは堕ちた人間なんだ。あたしが…あたしが選ばれた人間なんだ」

少女は黙って車に乗り込む。彼女達のアジトである場所まではこの"特別車"を使わなければならない。そしてこの車に乗るための場所は常盤台中学から約五百メートル離れた位置にあった。

「だってあたしには、全部視えるんだから」

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -