注意
※黒子君総受けである
※赤司君主観である
※赤司君がまともな性格である
※色々キャラ崩壊である
※帝光時代である




最初に言っておく。ここは男子バスケ部。俺は赤司 征十郎。『キセキの世代』の1人である。
今現在、休憩中だ。そう休憩。休日だから弁当を食べているんだ。普通に、そう普通に!!


「黒子っちー。一緒に弁当食べましょーよー、2人で!!」
そのはずなんだけど……。
「何を言っているのだ。黒子は俺と食べるのだよ」
普通に食べたいんだけど…。
「お前こそ何言ってんだ。テツは俺と食べるんだ」
「むー、僕と食べるの」
………。


「皆さん一緒に食べれば良いじゃないですか」「「「「嫌だ/ッス/なのだよ」」」」
(キャー!テツ君総受けとか最高!)
何でいつもこうなるんだろう。ていうか、桃井は何故止めずに悶えているんだ。………、あぁ、そう言えば彼女は所謂“腐女子”とかいう種類の人間だっけ。成る程、納得。


今俺の隣で起こっているこの騒動は、毎週末、休日の休憩中に起きている。というのも、そいつらが狙う“黒子 テツヤ”は今現在俺の隣で弁当を食べているからだ。
何でこんな、桃井曰く“総受け”な状態になったのかは覚えていない。
否、あれはある意味俺の黒歴史だ。思い出したくもない。何モナカッタ、ソウダキット。


………。取り敢えず色々あった後、所謂“総受け”状態になった黒子は、唯一『キセキ』の中でそんな態度をとらない―てかとる意味が分からない―俺の元に避難してくるようになった。
そのお陰で俺は他の『キセキ』から勝手にライバル宣言され(「絶対に奪ってやる!」とか、何処の青春ドラマだよ)、桃井は俺が黒子を庇うのを見て常時悶えるようになった(「赤黒ヤバイ。赤黒←キセキとかヤバイ」……俺には何も聞こえない)。


取り敢えず、ギャーギャー騒ぐ彼らを止めない限りは、俺も黒子も、後他の部員達もまともに弁当を食べる事は不可能だろう。
さて、どうやって止めようか。
まずは普通に仲裁に入るか。
「お前ら、全員で丸くなって食べれば問題無いだろ?ホラ、早く食べるぞ」


箸でチョイチュイとそう指示すると、隣でモソモソ食べている黒子も同意するように頷いている。
が、
「嫌っすよ!どうせそう言って、黒子っちとの仲を見せ付ける魂胆っすね!」
「何故そうなる」
黄瀬の反論の意味が分からない。何だ、黒子との仲って。俺と黒子は普通のチームメイトだろうが。
まぁ、そう言ったところで彼らの暴走を止めるのは無理だろうが。


どうしたものか、と、ふと隣を見た時だった。
「!!」
黒子が、いない。どうやらミスディレクションを使って逃げたようだ。
あの野郎……。人に頼ってくるのに、こういう時だけ逃げ足が速い。てか目の前の4人は気付いていないのか。


と、その時俺の携帯が鳴った。
誰だ、こんな時に。そう思いながら電話に出ると、
『こんにちは』
「………」
 お 前 か
電話口から聞こえてきたのは、何処かに隠れているであろう黒子の声だった。
目の前で未だにぎゃーてー言っている連中に聞かれれば何を言われるか分からないので、少し距離を置いた。


『取り敢えず、監督と話している体で応えて下さい』
「??分かりました」
何か考えがあるのだろう。よく分からないままに敬語で応対する。
『えっと。今僕更衣室で食べているんです。そこにいてもらうのも悪いので、来てもらっても良いですか?』
「……了解」


成る程。監督に呼ばれたという事にすれば良いのか。短く了承の意を伝えて電話を切り、弁当をまとめて立ち上がる。
「じゃ、俺監督に呼ばれたから行くぞ」
「へ!?じゃあ黒子っちと食べられ………っていない!!」
「「「何!!??」」」
「さーて、何処に行ったのやら」
漸く気付いたのかお前ら。俺も気付いたのはついさっきだが。


「くっそー、黒子っち何処行ったんすかー!!」
更衣室らしいぞ、黄瀬。
「全く、お前らが騒いでいたから、黒子が逃げたのだよ」
お前も十分騒がしかったぞ、緑間。
「ったく、テツの弁当食いたかったのによー」
食い気か、青峰は。
「僕も黒ちんにお菓子持ってきたのにー」
そうか、お前もだったか、紫原。


なんかしょんぼりしている彼らが哀れだが、お前らが騒いだりするのが元々問題だ。そろそろ監督に掛け合って、このうざったい騒動を止めようかな。
ま、取り敢えず今は静かに弁当を食べるのが先だ。早く黒子の所に行くとするか。全く、部長ってものは辛いな……。
あ、そういえば某ゲームを元にしたネタに「辛いに一閃で幸」とかあったな。あれ、思考が逸れた。


更衣室に着き扉を開くと、そこには1人でモソモソ弁当を食べている黒子がいた。
「上手く抜け出しやがったなこの野郎」
開口一番に俺がそう言うと、黒子は申し訳なさそうに「すいません」と謝ってきた。ま、今回も黒子は被害者だし、別に良いか。


黒子と向かい合うように座り、弁当を広げて食べ始める。
黒子は滅多に自分から話す事はないし、俺も似たようなものだから、必然的に更衣室には沈黙が流れていく。
と、黒子が俺の弁当箱の中の卵焼きに目をむけているのに気が付いた。目が「食べたい」と言っている。


「……食うか?」
箸で卵焼きを1つ掴んで差し出すと、黒子は黙って自分の箱を出してきた。
そこにホイッと卵焼きを突っ込む。
と、お返しとばかりに黒子が唐揚げを俺の弁当箱に突っ込んだ。
それを取って口の中に放り込む。うん、旨い。
結局最後まで会話らしい会話は無かった。まぁ、久しぶりにリラックスして食べられたから別に良いけど。



………あれ、何で黒子は俺を呼んだんだ?



『キセキ』の日常

(後日、何とか対策を考えて実行した)
(4人は心なしかしょんぼりしていたけど、俺の弁当時間の邪魔をした報いだこの野郎)
(あぁ、けど)
(黒子も落ち込んでいたな)
(なんでだ??)



あとがき


わーい、赤司君が物凄い偽物だー
多分この赤司君は黒子の事を手のかかる弟的な感じでおもってるのだろう
そして天然タラシな苦労人なのかもね、ウン
しかし唯我独尊的な部分もあるといい
あ、途中の「辛いに〜」のネタ分かる人、友達になりましょう!!


………こんなんで良かったですか、蒼氷さん
めっちゃ自信無い
初リクありがとです!!

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