多方面から絶大的な人気を誇るキセキの世代をゲーム化することが決まったのは、半年程前のことであった。発案は現在プロ兼モデルとして活躍する黄瀬の思いつきのような一言だったのだが、それにプロデューサーが食いついたのだ。中学生時代から異才を放った五人に関するゲームを作ったらきっと売れる、そうプロデューサーは確信していた。制作会社も当たりと確信したのか比較的早く決まり、キセキの世代ゲーム化は次第に現実のものとなっていった。

彼らの知人などから集めたデータを繋ぎ合わせて作ったゲームは、ストーリーゲームに近いものになった。主人公は自分であり、その自分が誠凜高校に入って火神達と共に戦っていくというものだ。制作段階で主人公の立ち位置を黒子にして欲しいとキセキの世代がお願いした結果である。制作会社もその意見に反対せず、主人公は火神達と共に打倒キセキの世代を目指すという、現実に忠実な内容になった。

そしてこのゲームの魅力は、なんといってもマルチエンディングを起用していることにある。既にお気づきの人もいるかもしれないが、このゲームは女性を対象に売られる予定だ。従って女性受けするものになってしまうのは仕方ないだろう。その結果好きな人物と結ばれたいという願望を満たす必要がある。故にキセキの世代と火神、その他主要登場人物とのエンディングが保証されているのだ。

そんな中あるスタッフの企みにより、このゲームには裏ルートが作られた。所謂バッドエンドというやつだ。これは通常通りの攻略では辿り着かない仕様になっている。つまり決まった行動を決まった時期に行うことで初めてその分岐が発生するのだ。

>>黄瀬裏ルート
発生条件
→海常戦で10点以上大差で勝利すること
→黄瀬とのマジバイベントを全て行うこと
→黄瀬の好感度を4以上にした状態で桐皇戦を迎えること(マックス好感度は5)
→最後の告白時に「君ともうバスケは出来ません→今は火神くんの隣で輝きたいんです→黄瀬くんにも大切がきっとできますよ」を選択すること

>>緑間裏ルート
発生条件
→秀徳戦に10点以上大差で勝利すること
→緑間及び自身のラッキーアイテムを常備すること
→桐皇戦後の合宿イベントを好感度5状態で、夜時間を全て緑間に費やすこと
→最後の告白時に「君ともうバスケは出来ません→今は火神くんの隣で輝きたいんです→僕は君のシュートが一番素晴らしいと思います」を選択すること

>>青峰裏ルート
発生条件
→プールでの練習時に部活を休み火神とストバスを選択すること(この選択肢を出すために様々な分岐選択が必要てす)
→桐皇戦でダブルスコア以上で負けること
→青峰からの誘いに全て応じること(前項目を満たさないと全ては発生しません)
→最後の告白時に「君ともうバスケは出来ません→今は火神くんの隣で輝きたいんです→君が相棒であったことは今でも変わりません」を選択すること

ちょこっと書いてみた。

>>黄瀬バッドエンド

「ねぇ××っち、俺の最高はもう××っちしかいないんスよ」

伸ばされた手は冷たい。いつもと違う温度に××は酷く不安定な気分になった。黄瀬の表情は前髪で見ることが出来ない。

「××っちはきっと悪い夢を見てるんだよ。だってキセキの世代が、俺達が離れるなんてありえないっスからね。××っちだって俺達と離れたくないのに無理矢理誠凜にいるんでしょ?全部分かってるっスから安心して。××っちを誑かす奴らなんて生きてる価値が無いっスから。だからもうちょっと待って欲しいっス。全部消して壊して、また俺達の世界に戻ろ?」

>>緑間バッドエンド

「お前が幸せならば俺は構わん。だが誠凜などにいて幸せになれないと、どうして分からないんだ。あのような場所にいてはお前の芽が腐るだけなのだよ。俺達はお前のことを一番に理解している。だからこそお前が俺達を恐れてあのような場所に逃げていることぐらいは分かっているのだよ。けれどもう大丈夫だ。もう俺達はお前を捨てたりなどしない。だからもう光の消失を恐れて縋り付く必要はないのだよ」

>>青峰バッドエンド

「なぁテツ、そろそろ遊びは終わりでいいだろ。全中終わってから一年間、お前のかくれんぼはもう終わりだ。全員がお前を見つけて名前を呼んだんだからな。だから安心して俺達のところに帰ってこい。光と影は一心同体、離れるなんざ不可能なんだよ。お前が見つけたアレは出来損ないで目眩ましだ。あんな不良品に影が引っ掛かってるなんて腹立つけど、まぁこれからを考えれば別にいいか」


紫原&赤司の分岐フラグはまだ情報少なくて……。頑張れたら頑張って書きます(^_^;)

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