9月22日〜2月29日
「ねぇ靄子、おかしいと思わない?」
「………、もはや人類の神秘だよな」
二人の目の前には店の仕事で動き回る日々乃。しかし二人の視線は動き回る日々乃の胸に釘付けだった。神は二物を与えないという言葉を言ったのは一体誰だったか。
「日々乃ってさ、学校でモテるんだってさ」
「匡平様という方がいながらあの女………」
「つまり容姿はアレだろ、学力もアレだろ、………胸もアレじゃん」
「………死ねばいいのに」
当の本人は何も知らずに一生懸命働いている。良い子だとは分かるのだが、分かっていても仕方ない時はあるのだ。
「しかも日々乃さ、特に何もしてないんだと」
「それって私への当てつけかしら」
匡平に認めてもらう為に日々の努力を欠かさないまひるには、日々乃のことが厭味に聞こえてしまう。
「はぁ何か日々乃に勝ちたいなぁ……」
「私には案山子があるもの」
女子の苦悩は続く。