9月22日〜2月29日


「玖吼理、もう止めよう」

玖吼理に手を当てて、匡平は言った。呟くように、囁くように。そして緑に光っていた玖吼理のレンズは淡く発光していき、徐々に光を失わせていった。しかし次の瞬間、蒼く瞬くような光が玖吼理のレンズに集結していく。

「玖吼理、もう疲れたんだ。隻として立派にこなしていこうって考えるのが。だからさ、少しだけ。少しだけ外して良いかな?」

玖吼理はまるで諾と言わんばかりにレンズを光らせる。そして次の瞬間、玖吼理の蒼く煌めく光線が標的を貫いた。一点のみを焼き尽くす光は、まるで裁きを下すかのように。

「さぁ玖吼理、行こうか」

最後の審判を下す者は、静かに地から離れ立った。

BLコンテスト・グランプリ作品
「見えない臓器の名前は」
- ナノ -