4月9日〜5月8日



憧れで始まって憧れで終わる。私から見たら彼はそんな存在。だって絶対勝てないって分かってるから。どんなに良い成績を残したって所詮彼の目にも留まらない存在なのだから。

初めて会った……いや、見た。画面の中の彼は誰も寄せつけない圧倒的な力を誇っており、実験なんて無意味じゃないかと思わせる程完成していた。白の実験室が赤に染まることが何とも思わない。私の目は彼に釘付け。研究者はそんな私に奇異な目を投げかけた。

この能力が唯一の彼との繋がり。彼が私の中に存在している証。この能力は私が制御してるんじゃない。私がこの能力に制御されているんだ。植え付けられた演算パターンと思考はいつか私を食い尽くすかもしれない。

それでもいい、それでも。

価値のない私にはそれでも彼を求めつづける。

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