バカテスチックなネタが入ってます。美琴と当麻の関係は美波と雄二みたいな感じです。
「従ってX=Yになり、この式に代入していくと……」
夏真っ盛り、空調が上手く作動しない教室で夏期補習という名の地獄が繰り広げられていた。真面目に勉強する者は片手で数える程で、他の人間は寝ているかゲームをしていた。
「よし、鈴科。この問題解いてみろ」
教師の指名に百合子は腰を上げる。その瞬間、男の目線が百合子に向けられた。皆が百合子を見つめる。そんな視線をものともせずに、百合子は黒板に向かった。
「…………、きた」
誰かの呟きと同時に強い風が教室の中を駆け巡った。教科書やノートがめくられていく。掲示物もはためいている。そして唯一立ち上がっている百合子のスカートがふわりと揺らいだ。
「「「キターーー!!!」」」
クラスに響く男子の叫び声。女子は「最低!」だの「これだから男子は」だの罵声を浴びせた。しかし当の本人鈴科百合子は何事も無かったかのようにつらつらと黒板に答えを書いていた。
「ちょっと百合子!!アンタ少しは気にしなさいよ!」
「何が?」
「ス、スカートよ!!」
「あァ」
興味なさ気に百合子は相槌をうつ。そんな姿に一部の男子から「ツンツン萌え」だなんて言葉が上がる。
「鈴科、先生からも言うが少しは気にしろ」
「別にこンな布きれ何を気にしろと………」
「スカートを布きれと呼んだ人間初めて見たにゃー」
百合子がスカートをぴらぴらとめくる。あらかじめ計算済みなのか見事にギリギリ見えない。しかし耐性の無い男子はそれだけで卒倒ものだ。
「お前達、授業再開するぞーってもう終わりか」
授業終了まであと二分だったので、早めに終了となった。今日の授業はこれで終わりだ。
「あー、でも俺今日弁当なんだわ」
当麻が鞄から弁当箱を取り出す。いつも通りの苦学生弁当だ。
「残念だ上やん。俺は失礼するぜい」
「俺も。武装集団の連中に誘われてるからさ」
「私も黒子と食べる約束なのよね」
「絹旗と滝壺とフレンダ待たせてるから行くわ」
どうやら各々昼ご飯を食べる相手がいるらしく、当麻は少し寂しい気分になった。かと言って弁当を後回しに他の人と昼ご飯をとるのも気が引ける。
(今日はインデックスが作ってくれたからな)
家事を全くやらないインデックスが朝早くに起きて作ってくれたお弁当。食べないなんて選択肢はない。たとえ味の保証が出来なくても、だ。
「そォか、上条も弁当なのか。何なら俺と一緒に食うか?」
「うわー腹減りすぎて死にそうにゃー。ちょっとコンビニでパン買ってくる」
「あっもしもし?急用入ったから今日の約束無しな」
「黒子、今日は一人で食べなさい。よし、送信っと」
「ドタキャンでいいか」
「えっ、何々お前ら。みんな約束あるんじゃないの?」
「「「「抜け駆けは許さない」」」」
「お前らホント仲いいな」
今日も学園都市は平和である。