あのピーター・パンと肩を並べる程のハッカー、ファルコン。普通の大学生のようだが、中には大きな化け物を飼っているようだった。尤も、そんな表現はピーター・パンにも当て嵌まってしまうが。原子炉では随分苦戦した。ヘンゼルはネットでの戦闘は出来ないし理解も出来ない。ただそれでもピーター・パンが窮地に立たされたことくらいは理解出来た。

(まぁブラフと看過されたからではあるが)

同時に追い詰めたファルコンが気になったのだ。ハッキングを生業にしている以上肉弾戦には向いていないのだろう。ハッキング能力を除いたらただの大学生なわけであるし。ヘンゼルとは戦ってきた環境が違うのに手合わせしたくなったのだ。

(手合わせ……いや、俺はファルコンに会いたいんだ)

ヘンゼル達を追い詰め苦しめたファルコンを見たい、そして返り討ちにしたい。ヘンゼルの中にはある一種の狂気が生まれていた。それにヘンゼルは気づいていた。最年少曹長として自身を律してきたヘンゼルだが、この気持ちの高鳴りには勝てなかった。

「ピーター・パン、次は俺が動く」

ヘンゼルはファルコンに会いたい一心でピーター・パンに言った。

「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -