アレンはノアに好かれている。これは衆知されていることであり、アレン自身認めている。しかし好かれていると言っても形は歪んでいて、アクマを大量に押し付けて来たり自身が出てきたり。もしかして暇なんじゃないかと思う程、ノアとの遭遇率は高かった。

「ロード……お久しぶりです」

「久しぶりぃ、アレン。最近ティッキーだから寂しかった?」

「彼にはウザいから会いに来るなって言っておいて下さい」

「ティッキー可哀相ぉ」

「それよりノアは暇なんですか?」

神ノ道化を退魔の剣に転換した。これでロードを倒すのではなく"メモリー"だけを破壊できる。

「僕は学校あるしぃ」

(学校?アクマ学校とかか?)

ロードが人間と同じ学校に通っているということが理解出来なかった。彼女は人間を何とも思っていない節がある。自分達は選ばれたノアである、と。

「みんなさぁ、アレンが好きなんだよ」

「好きならアクマ製造を中止して下さい」

「それはダメぇ」

ロードがレロを振るとアクマ達がアレンに攻撃するべく向かってきた。アクマ相手にアレンがそう後ろを取られることはない。神ノ道化で薙ぎ倒されるアクマを見ながら、ロードはキャンディーを舐めていた。

「無駄じゃないですか、こんなこと」

声の方に向けばアレンの姿。彼の下にはアクマの残骸が散らばっていた。煙が辺りに漂い視界が悪くなる。

「無駄、ではないよぉ」

「?」

「ほぉら」

ロードの声と同時に爆発音、そして火柱が立った。

「なっ!!」

「あの街、結構人が多いんだぁ。悲劇作成完了〜」

「ロードっ!!」

「あの街から何体アクマが作られるか、楽しみだねぇ」

ロードは自身の扉を出した。自由自在に何処にでも繋げる、ある意味簡易方舟。扉の向こうに消えるロードに退魔の剣を投げたが、間合いに別のアクマが入ってきた為ロードに当たることはなかった。アクマの魂が浄化され昇っていく。ロードの姿はなく、アクマに襲撃された街は悲劇に包まれていた。

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