DREAM REBORN! | ナノ
おかえり
「本当に久々だー!」
そう言って大声で叫ぶ私の目の前には、
素晴らしく大きなヴァリアー邸が広がっていた。
最後に見たのはいつだろうかと1人でぶつぶつ言いながら中へ入る。
最近は、ずっと日本のボンゴレの元で仕事をしていた私が、ここイタリアの地へ戻ってきたのは、向こうで仕事していた時の大事な資料等をボスであるXANXUSに提出する為であった。
「みんな元気かなあ…」
ここに来ることは予め内緒にしておいて、みんなをビックリさせる作戦だった。
きっと、誰かしらはいるだろうと辺りを見回していると…。
「ルッスーリア!」
私は懐かしい名前を呼びながら駆け寄った。
「あらまあ、名前じゃないの!何でここに?!来るなら言ってちょうだいよ!」
「えへへ、みんなを驚かせたくて内緒で来ちゃった!」
「んもーう!まあ、いいわ!広間にみんないるから行きましょ♪」
ルッスーリアは急かす様に私の背中をグイグイ押して、広間へ向かった。
「おかえりなさい、…名前」
広間のドアの前で一度立ち止まり、ルッスーリアは優しく微笑んでそう言った。
そして、広間へ続く大きなドアを開けた。
ドアの向こうには懐かしい面々が、驚いた顔をしてこちらを見ている。…ドッキリ大成功、かな。
「「名前?!」」
「ひ、久しぶり…!」
みんなが一斉にこちらに駆け寄って来る。
「ししし♪久しぶりだな、名前」
「う゛ぉ゛ぉい!帰って来るなら言ってくれりゃあいいのに」
「君が日本へ行ってからここはずっとむさ苦しかったよ」
「まあ、マーモンたら!私がいるじゃないの!」
「ボスは貴様には渡さんぞ」
みんなそれぞれ話しかけてくれる。
「…名前」
そして、みんなより一歩遅れて低い声で私の名前を呼ぶのは…。
「ぼ、…ボス!!」
会いたかった気持ちを抑えきれず、ボス目掛けて走った。
「ちぇー、やっぱりボスさんか」
「まあまあ、いいじゃないの♪」
ボスはいつもと変わらず、あの椅子に座っていた。
「…久しぶりだね、ボス」
「…あぁ」
たくさんの言葉はいらないの。たった一言、それだけで十分なの。
「ずっと…、会いたかったよ?」
ボスはそれを聞いて、私を優しく抱き寄せて、耳元で一言。
おかえり
(ただいま、ボス…ってだ、ダメ!
そこは…!み、みんないる…から!
ねぇっ…ボスってば…!)
(うるせぇ)
((居づらい…!!))