DREAM REBORN! | ナノ
俺だけのお姫様
「おはよ、姫♪」
「お、おはよう…」
「あれ、元気ねぇじゃん」
「その呼び方の所為だよ!」
名前は軽く手を上げて怒るポーズをする。全然怖くないんだけど。寧ろ可愛いし。
「何で?いいじゃん、姫だよ?」
「は、恥ずかしいじゃん!!」
今度は、顔を真っ赤にさせる。そうやって俺のこと誘ってんの?
いつ見ても飽きない俺の名前。
怒った顔も泣いた顔、もちろん笑った顔も。全部全部大好きなんだ。
「じゃあ、何て呼んだらいいんだよ」
「普通に名前でいいじゃん!」
「ふぅーん、名前ねぇ…」
俺は言われたとおり、名前で呼んでみた。…ぎゅっと抱きしめて、耳元で。
「っ〜…!!」
「こんな感じでどうよ」
あれ、このまま爆発すんじゃねえかっつーほど、顔真っ赤だわ。やべぇ、本当可愛い。
こんな顔、俺の前だけにしてほしいわ。あいつらにこんな顔見せたら、一発だな。
「名前大丈夫なの?顔真っ赤だぜ〜」
俺は面白くなって、名前の顔をツンツンつつき始める。
「あっ…やめっ!」
その声が急に、俺が頑張って保ち続けていた理性の糸をいとも簡単に切った。
「…なあ、名前」
「な、何?」
「俺もう我慢出来ないわ」
「ええぇ?!ちょっ、待って…」
「無理♪」
そう言って俺は、名前をベッドの上に押し倒して、上から覆いかぶさった。
「べ、ベル君っ…だめっ」
やめてという様に、名前の両手は俺を押しのけることに一生懸命だった。
でも、非力な名前の力じゃ俺の体はビクとも動かなかった。
「…名前」
その言葉を最後に俺は、無我夢中で名前の唇にキスを落とした。何度も角度を変えて。
やべぇ、こんなに気持ちがいいキスなんて初めてだ。
「名前…名前!」
「ベル君っ…!」
俺が名前を呼ぶと、名前も俺の名前を呼んでくれた。
「はぁ…はぁ…」
お互い呼吸が荒くなり、唇を離した。
名前の顔はトロンとした顔になってて、このまま食べちゃいたいくらいだった。
…でも、名前の目から涙が零れているのを見て、それはやめた。
「…ごめん、名前。俺…」
「ううん、いいの」
「でも、お前…泣いてるじゃん」
「あっ、これは…」
そう言って、慌てて名前は涙を拭った。
「嬉しかったから…」
名前はそう言って笑った。よかった。嫌ではなかったみたいだ。
「ちょっと…ビックリしちゃったけどね」
へへへ、とはにかむ名前が可愛くて。
もう一回キスしてやろうと企んでいると、名前の両腕が俺の首の後ろに回され、ぐいっと引き寄せられた。
「おかえしっ」
そう言って、名前は触れるだけのキスをした。
俺だけのお姫様
(これで終わりじゃねぇよな?♪)
(も、もう。ベル君のバカ…///)