DREAM REBORN! | ナノ
いつもより大胆に


――ピンポーン。
「…あ、はーい!」

いつもの時間に、俺は名前の家にやってきた。

「いらっしゃーい」

俺は決まってこの時間に名前の家に、夕飯を食べに行く。

「おう。今日は何だぁ?」

「名前特製ハンバーグだよー!」

以前一回作ってから、俺が思いの外気に入ったので、定期的に作るようにしてくれている。

「スープ温め直すから、その間に手洗ってきて!」

「おう」

俺と名前は特別な関係ではない。ただ、俺は名前のことが好きだ。
もちろん、そんな素振りは一度も見せないように頑張っているつもりだが、周りにはバレてるらしい…。
名前は鈍感だからきっと気付いていない。だからこそ、今日、この関係を終わらせたかった。

「んー、今日もうまく出来たっ」

俺が手を洗って戻ってくると、名前はスープを味見しているところだった。

「ん…どれどれ」

そう言って俺は、名前が味見に使った小皿を何の躊躇いもなく口を付けた。

「おお、うめぇじゃねぇかぁ!」

「っ…!///」


予想通り名前は顔を真っ赤にした。

「どおしたぁ、顔が真っ赤だぞぉ」

「な、何でもない!ご飯食べよ!」

照れながらぐいぐいと俺をキッチンから押し出す名前を愛おしく思いながら、テーブルについた。

「「いただきまーす!」」

名前のハンバーグは、バカだと思われるかも知れないが世界一おいしいと言っても過言じゃないと思う。
それから他愛のない会話を交わし、夕飯を終えた。

「今日も美味かった。いつもありがとうなあ゛」

TVを見て少しくつろいだ後、俺は帰る支度をした。

「んじゃ、帰るわ」

「…いつも食べてくれてありがとうね」

玄関までのお見送りの時、そう言われた。その顔は、俺の保ち続けている理性を簡単に
砕いてしまいそうな顔だった。

「じゃあ、また明日…!?」

気付いたら俺は名前を抱きしめていた。名前の小さい体は、俺の腕の中にすっぽりと埋まっていた。

「す、スク…?///」

そう言って見上げる顔は、とうとう俺の理性を砕いた。俺は静かに目を閉じて名前にキスを落とした。

いつもより大胆に
(お前が…名前が好きだ)
(っ!…私もだよ、スク)




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