DREAM REBORN! | ナノ
もう一度
私は苗字名前。
訳あって、ヴァリアーのみんなのお世話係として働かせてもらっている。
職業や見た目上、怖い人達だと思われがちだが、私は心からみんなを信頼している。とても大切な人達。
中でも1番怖そうなボスには1番良くしてもらっている。
ーーコンコン。
「…ボス、名前です。入りますね」
「…あぁ」
こんな何の役にも立たない私を置いてくれているボスには本当に感謝している。
だから、この人には精一杯尽くそうと思っている。
「夕飯の支度が出来たのでお呼びしました」
「今行く」
「では、先に広間でお待ちしておりますね」
いつも夕飯の支度が出来たら呼ぶことになっている。他のみんなは大体時間を見計らって来る。
ボスをいつもの様に呼んで、広間へ向かおうとすると
「…待て」
と、ボスに呼び止められた。私は待たない理由も無いので、次の言葉を待った。
「…お前はここにいて、幸せか」
突然ボスはそんなことを聞いてきた。
「はい、幸せです」
私は、嘘偽りのない言葉を発した。
「こんな何も出来ない私を置いてくださったり、良くしてくださったり、この上ない幸せです。何より、あなたのそばにお仕えできて嬉しいです」
私は笑顔でそう付け加えた。
「お前には…」
ボスは少しタメを作って続けた。
「お前には…感謝してる」
「か、感謝するのは私の…」
「俺の嫁に来い、…名前」
「っ…?!///」
ボスはさっきから突然なことばかり言う。私は顔が赤くなって何も言えないでいると、
椅子から立ち上がり私に近づいてきた。
そして、私の頬に手を添え静かにキスをした。
「…で、返事は?」
「お、…お願いします…」
その答えを聞いて、満足そうにもう一度キスをした。
もう一度
(俺から逃げれると思うなよ?)
(思っていませんよ)