DREAM REBORN! | ナノ
こっち向いて?


「ごめ…ん!遅れ…たっ!」

今日は、隼人とデートの日。
久しぶりということで、前の日から凄く気合いが入り、夜は眠れずということでお約束の遅刻です。
もちろん隼人はとっくに着いており、何度もまだかというメールを貰った。

「お前なぁ…。久しぶりなのにいきなり遅刻ってどういうことだよ」

「本当ごめんね…」

昨日から色々な雑誌を見て、髪型を考えて来たのに走ったら崩れたし、可愛いねって褒められたかったけどそんなこと言ってる場合ではなかった。

「と、とりあえず行こう…か?」

待ち合わせ場所に隼人よりも先に着いて、移動の時は手を繋ごうと思ってたのにな…。

「映画の開演時間までまだ時間あるからそれまでどうしようか?」

私は隣を歩く隼人を見た。すると、隼人は急いで目を逸らした。

「お、俺はどこでもいい…」

「?」

隼人はそれだけ言うとまた黙りこくった。それに心なしか、歩くスピードが早くなった気がする。

「ちょ、ちょっと歩くの早いよ…!」

隼人は大股で、私はそれに小走りで追いかけた。やっぱりまだ遅刻したこと怒ってるのかな…?

「隼人…!ごめんってば!」

「…あぁ」

何で今日こっち向いて話してくれないんだろう。今日はまだ一回も目が合っていない。
私は隼人の服の裾を引っ張った。

「なっ…にすんだよ…」

隼人はやっとこちらを向いた。

「だって隼人、今日一回も私と目を合わせて話してくれないんだもん…」

そう言ってると、だんだん悲しくなってきて涙が溜まっていくのが分かった。

「お、おま…!泣くなよ…!」

隼人は私が泣きそうになっているのを見て、オロオロし出した。

「確かに私がっ…遅刻したのがっ…悪いけど…!でもっ…、隼人に可愛いって言ってもらいたくてっ…!それなのに、こっち向いてくれなっ…!?」

泣きながら隼人に訴えかけていると、いきなり抱きしめられた。

「は、隼人?!///」

「…ばーか」

そう言って、隼人はさらに強く抱きしめた。そして、私の耳元でこう囁いた。

「そんな可愛い格好してる名前の方なんか向けるわけねーよ…///」

こっち向いて?
(お、襲いたくなっちまうだろ…!)
(えっ、は、隼人!?)




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