○○彼氏 | ナノ
布団
「ねぇねぇ、…一緒に寝よ?」
「は、はぁ?!///」
今日は急遽紘の家にお泊り。初めてだから少し緊張気味。
「だ、だって紘、ソファで寝るんでしょ…?」
「だからなんだよ。仕方ねぇだろ、急に泊まるってなって布団一組しかねぇんだから」
「いやだから…ね?ふ、二人で寝れば…いいんじゃないかと…」
自分でもびっくりするほどの大胆発言に、恥ずかしさのあまり語尾が小さくなっていく。
「バカ言ってんじゃねぇよ、風邪ひかれたら困んだよ」
「それは、私だって同じ気持ちだもん…!」
「俺様のことは気にしてねぇでさっさと布団入って寝ろ」
「紘…」
私はそれ以上何も言い返せずに布団のほうへ向かって歩いた。
初めてのお泊りだし、変な期待とかはしてなかったけど、もうちょっと一緒にいたり、おしゃべり程度はできると思ってたのにな…。
「じゃ、じゃあ…おやすみ…なさい。布団、ありがとうね」
私は精一杯の笑顔と、紘が私に布団を譲ってくれたことに対してのお礼を言った。
さみしい、なんて思っちゃだめだ。
「…んだよ、そんな顔すんな…!」
そういって紘が勢いよくこっちへ来たかと思うと、布団に押し倒された。
「紘…?!」
「お前ばかなの?…俺様がどんだけ我慢してると思ってんだよ」
「えっ…あの、ちょ…!」
私の言葉は最後までいい終わらないうちに、紘の唇によって遮られた。
「んっ…!…紘っ…!」
「何名前、こーいうこと期待してたの?」
「ちがっ…!」
「まぁ、お前が乗り気じゃなくても、お前が俺様をその気にさせたんだからな?」
紘はにやりと笑った。
布団
結局一緒の布団に入りました。
(すぴー…すぴー…)
((何この裏切られた感!!))