DREAM うたプリ | ナノ
secret
「あっ…だめ…!」
「そんなこと言っても…顔が欲しがってますよ?」
そう言ってトキヤくんは、二人きりの部屋の中、私の顔を持ち上げる。恋愛禁止だって分かってる。分かってるけど。こんなにも私はトキヤくんが好き。求められたら拒められないよ…。
「好きですよ…、名前」
トキヤくんは私を優しい瞳で見つめ、そのまま顔を近づけてきた。私はそれに答えるように、静かに目を閉じる。優しく重なり合う二つの唇。久しぶりの感触。
「…トキヤくん…」
最近、嬉しいことにトキヤくんにたくさん仕事が入った反面、なかなか会えなくなってしまっていた。本当は今日だってこの後仕事が入ってる。そんな中彼は会いに来てくれた。
「…なんですか、そのまだ足りないというような顔は」
足りないよ。何週間か振りに会ったんだもん。もっともっとトキヤくんに触れて欲しい。ずっと寂しかった。ソファで隣り合う二人。触れ合う体温がとても愛おしく感じる。
「仕方ない子ですね」
そう言ってトキヤくんは私の体を更に引き寄せた。
「っ!」
「これくらいのことで、そんな顔しないでください。これからなんですから…ね?」
トキヤくんは私の弱点である耳元でそう呟いた。途端に耳が熱くなるのを感じた。
「いつまでたっても弱いですね、…ここ」
かぷっと、右耳を甘噛みする。
「ひゃう!」
突然の出来事に変な声をあげてしまう。
「と、トキヤくん…!」
「貴方って人は本当に可愛いですね」
そう言って今度は、私の首元に顔を埋めてきた。トキヤくんのさらさらした髪の毛が私の首筋を擽る。髪の毛が私の首筋をなぞるたびに、私の体はびくっと反応する。
「くすぐったいよ…!」
「なるほど、首筋も弱点ですか」
「うぅ…?!」
突然ちくり、と首筋に小さな痛みが走った。
「トキヤ…くん?」
「印をつけておきました。私の物だという、ね」
そう言ってトキヤくんはもう一度私の顔を持ち上げた。
「内緒ですからね?」
トキヤくんは小さく微笑むと、静かにキスを落とした。初めは、軽く触れるだけのキス。そのあとは、好きだと言わんばかりの深く、激しいキス。
「名前…愛していますよ」
「私も…」
二人は見つめあって、もう一度キスをした。
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(今度の週末はどこか行きましょうか)
(わぁ!楽しみっ)