DREAM うたプリ | ナノ
イタズラするぞ
今日は10月31日、Halloween!
最近仕事で忙しい翔くんに無理言って休みを取ってもらい、今日は一日中二人きり。
「翔くん、久しぶりの休みで悪いけど、今日はパーティしたい…な。」
私がおずおず頼むと、翔くんは笑顔で頷いてくれた。
「おう、やろうやろう!折角一日休みだし、一緒に買い出し行こうぜ!」
私の提案に快く応じてくれた翔くんは、幼い子供のように楽しそうだった。そんな翔くんを見てるとこっちまで心が弾んでしまう。
「みんながあまり動き回らない時間帯に済ませちゃった方がいいよね?」
「あー、まあな。そうしてくれると助かるかな」
最近、本人もびっくりするほどTVに出演している翔くん。もちろんその分有名になるわけで。折角お仕事が順調に進んでいるのに、恋愛報道なんかで翔くんの夢を壊したくない。
「じゃあ、もう出ちゃおっか」
私がそういうと、翔くんは帽子を被って
「人通りが少ないうちに、な」
と、言って私の手を握った。久しぶりの手を繋ぐ、という行為に緊張しながらも、やはり嬉しさが込み上げてくる。ニヤニヤしていると、
「こら、そこ。ニヤニヤしない」
と、軽く頭を叩かれてしまった。翔くんだってニヤニヤしてるよ?と、冗談を言うと、うるせー!と言って帽子を深く被った。
ショッピングモールに着くと、早い時間に来ただけあって、そんなに人は多くはなかった。食材を買い、少し時間があるから他も見て回ろう、と翔くんが提案した。
「わっ!やっぱりどこもハロウィン尽くしなんだね!」
「お前なぁ…。そういってさっきから見てるもん全部、食いもんな気がするのは気のせいか?」
「…えへ」
この時期になると色んな商品とコラボレーションする、かぼちゃ。期間限定に弱い私はどうしても目移りしてしまう。
「ったく、しょうがねぇな…」
そういって、翔くんは私の手を引っ張り近くの店に寄った。
「すみません、これ下さい」
翔くんが指差したものは、私が一番気になっていたものだった。
「どうしてこれだって分かったの、って顔してんな。お前の事だから何でもお見通しなんだよ、ばーか」
そういいながら、満足そうに笑う翔くん。お店の人から商品を受け取る。
「翔くんありがとう!…んー!!おいしい!」
翔くんにお礼を言うと、翔くんは黙って顔をそらしてしまった。
「…翔くん?」
そらしたかと思うと今度は、翔くんの顔が近づいてきた。
ーーちゅ。
「あんま可愛い顔してると、もっとイタズラするぞ」
イタズラするぞ
(私からもイタズラしちゃお! …ちゅ)
(((心臓が止まる!)))