CP 薄桜鬼 | ナノ
耳元で一言
私と平助くんがお互いの気持ちを打ち明けて、このような関係になってから早一ヶ月。
屯所の皆さんに説明する時、恥ずかしかったけれど、それよりも、平助くんと同じ気持ちで嬉しいという気持ちの方が優っていた。
「じゃあ、千鶴。行ってくるな!」
「いってらっしゃい、平助くん。気を付けてね」
「あぁ、ありがとう!」
「おうおう、お熱いねー2人とも」
突然、平助くんの後ろから原田さんが出てきた。
「今日は原田さんもご一緒なんですか?」
「俺は今日非番。千鶴、一緒にどこか行くか!」
「さ、左之さーん、それは勘弁してよー…」
原田さんの冗談を真に受けた平助くんは、困ったような顔をした。そんな平助くんを見て、原田さんは笑い出した。
「流石にそんな真似はしねぇーよ。安心しろ。まあ、女ってのは言葉を欲してるもんだよ…笑」
意味深な言葉と、不敵な笑みを浮かべ、原田さんはその場を去った。
「全く、左之さんの言葉はどこまでが本気でそうじゃないんだか分からねぇよ…」
平助くんは、決まり悪そうに頭を掻いた。
「それより、原田さんが最後に言ってた言葉の意味、一体どういうことなんだろうね?」
私はある一つの疑問を平助くんに投げかけた。すると、平助くんの顔はみるみる赤くなっていく。
「千鶴にはあれ以来…言ってないしな…」
何かをぼそっと呟く平助の言葉はしっかりとは聞こえなかった。
「千鶴」
そして、何かを決意したようにはっきりと私を呼んだ。
「い、一回しか言わねぇからな!!」
顔を真っ赤に染めた平助くんは、私を抱き寄せた。そして、耳元でこう呟いた。
「…好きだよ、千鶴」
耳元で一言
(…左之さんに浮気すんなよ)
(し、しないよ!///)