DREAM 薄桜鬼 | ナノ
緊張してますか?
「…本当にわかったのか…?」
不安そうにそう聞くのはつい最近付き合い始めたばかりの斎藤先輩だった。
「…えっとー…えへ」
「笑顔で誤魔化そうとしても無駄だ。わからないならわからないとはっきり言わないと自分の為にならない」
「…わかりません」
「よし、もう一度始めから説明する」
今日は、斎藤先輩の家に来ていて次のテストに向けてお勉強中。
駄目もとで先輩に頼んだら案外簡単に引き受けてくれた。
「…〜なんだ。いいか?って、おい、苗字聞いてるのか?」
「す、すみません…」
「ったく、あんたがわからない、教えてくれ、と言うから教えているんだ」
「はい、すみません…」
そんなこと言ったって、斎藤先輩はきっと無意識何だろうけど
さっきから距離がすごく近い。意識して集中が出来ない。
「(いやいやいや!せっかく先輩が教えてくれてるんだもん!ちゃんと聞かなきゃ!)」
気合いを再び入れ直して斎藤先輩の説明に耳を傾ける。
「(って、あれ…?ここ、さっきも説明してたような…。
気のせいかなあ。でも私、ここは一応解けるとこだから印つけてないしなあ)」
斎藤先輩が今説明している所は私が前持って説明してもらおうと印付けてきた所ではなかった。
「あ、あの…先輩…?」
「なんだ苗字。今の説明じゃわからないか?」
「いえ、そうではなくてですね…。ここ、印付いてないんですけど…」
「そ、そんなことは…。…ああ、本当だ。すまない。おかしいな…」
斎藤先輩は自分の間違いに納得のいかない感じだった。
「あの、もしかして、先輩…」
「なんだ?」
私は一つ、思いあたることを聞いてみることにした。
緊張してますか?
(そ、そんなことはない!!!///)
(え、あ、すみません…)