出会いの夜 1
「あーあ、暇だなー。」
千誠が潜入調査に行ってから7日がたった。今は日も暮れ、辺りもずいぶんと暗くなっている。
そろそろ巡察組も帰ってくる頃だろうか?
近藤さんも土方さんも山南さんも会議中だ。
「裏庭にでも行って、素振りでもしてこようかな。」
『。。。ドン!!!』
「...っ、!?」
裏庭と前川邸は差ほど距離が離れていない。大きな物音などがしたらすぐに聞こえる。
だから分かった。この音は只事ではないと。
「あー、音のした方からして........
めんどくさいことになったなぁ。」
「やっぱり。」
音のした方に来てみると例の薬を飲んだ"奴ら"がもう既に逃げ出した後だった。残ってる奴らから考えると逃げたのは3人だろう。
「一君!」
「どうしたのだ?総司。.............何かあったのか?」
「巡察帰りすぐで悪いんだけどさ、屯所にいる幹部全員集めてくれる?薬を飲んだ奴らが逃げ出したみたい。」
「!?.........わかった。あんたは副長達の所へ行ってくれ。」
.............バン!!
「土方さん!」
「おお!総司じゃないか!!どうしたのかね?」
「あ、近藤さん、山南さんこんばんわ。」
「戸は静かに閉めやがれって毎日いってんじゃねぇか。」
「はいはい。わかってますよ。」
「わかっているのならちゃんとやりやがれ。」
「まぁまぁ、土方くん。沖田くんは我々に用事があって来たのではないのですか?」
「実は、奴らが逃げ出したんです。3人ほど。」
「なんだと!?」
「それは本当かね!?総司」
「はい。今、一君に屯所にいる幹部を集めて貰っています。」
「これは穏便に済ませなければいけません。町人に見られでもしたら大変です。すぐに搜索に出ましょう。」
「ああ、近藤さんは屯所の方を頼む。山南さんは残りの奴らを監視しててくれ。
.............いくぞ、総司。」
「はーい。」
出会いの夜 1